【生き物から人生を学ぶ】本当に生涯共にする夫婦なのか!?オシドリの生態に迫る

スポンサーリンク

「生き物から人生を学ぶシリーズ」

このシリーズでは、生き物(主に動物)の形態や体の仕組み、生態と行った生きていく上で進化した生き様に着目して私たち人、そして人の社会に役立つことを紹介するシリーズです。

オシドリといえば、「おしどり夫婦」の語源にもなった動物です。

上の写真のように仲睦まじく、一緒に泳いで何とも幸せそうです。

しかし!このオシドリは「おしどり夫婦」ではとは限らないのです。

それについて詳しくみていきましょう。

カラフルなオシドリの生態

オシドリとは?

オシドリは主に日本をはじめとする東アジアに分布するカモ科も生き物。

日本では

夏は北海道など東日本の北側に生息し、

冬になると越冬するために南下し、主に西日本に飛来する鳥です。

有名なオシドリといえば、下のような写真ですね。

カラフルでとっても綺麗です。

しかし、このようにカラフルなのはオス

しかも冬の繁殖時期に自分を見せることで、メスの気を引く求愛の一種なのです。

対してメスは綺麗な柄のオスを選ぶ側のため、カラフルな羽にする必要がありません。

下のようにとっても地味です。まさにカモです。

ちなみにカラフルなオスもまた夏はメスと同じような地味な色になります。

オシドリはおしどり夫婦ではないのか!?

冒頭の写真のように2羽が揃って泳ぐ姿はよくみられます。

オシドリの「オシ」も、この姿の「雌雄相愛し」に由来すると言われています。

しかし、オリドリがこのように寄り添うのは繁殖時期前と繁殖期の5ヶ月間ほどです。

それが過ぎれば、できたペアは一旦リセットされます。

このように繁殖時期だけ一緒にいて、あとの時期は別れるという生態はカモ科の鳥ではよく見られます。

ひなが巣立つすると、ペアを解消し、その後オスは子育てに全く関わりません

ちなみにひなは孵化したその日に巣立ちます。

そして、次の年また同じペアを作るかといえば、そうとは限りません。

同じペアを作ることも報告されていますが、

ペアもリセットされて、次の年には別の異なるペアを作ります。

このように、オシドリだけど「おしどり夫婦」とは限らないのです。

本当に残念ですよね(笑)

ではなぜ、オシドリ夫婦というのか?

中国の故事の『鴛鴦の契り(えんおうのちぎり)』と由来していると言われます。

その昔、中国の戦国時代のこと。
宋の康王(こうおう)が、家来である韓憑(かんひょう)の美しい妻を権力で奪い取った。
韓憑は痛憤のあまり自殺するのだが、妻もまた、「夫と一緒に葬って欲しい」という遺書を残して、後追い自殺した。

民衆は2人に深く同情したが、これに怒った康王は、2人の墓をわざと向かい合わせにつくり、「もし墓を1つに合わせられるなら、やってみるがよかろう」と言い放ったのである。「そんなことができるわけがない」と見こしたうえでの嫌味であった。

ところがどうだ。一晩で、たちまち梓(あずさ)の木がそれぞれの墓から生え出てきたではないか。さらに10日ほどすると、2つの木は枝がつながり、根は1つにからまり合った。梓の木によって、ふたりの墓は2つに合わさったのである。

そして、この木の枝の上には、ひと番(つがい)オシドリが棲みつき、1日じゅう悲しげに鳴いたそうだ。

これが「オシドリ夫婦」なのである。

引用:「オシドリ夫婦」の由来

いい話ではありませんか?

しかし、よくよく見れば、仲睦まじく、離れない様は人の方で、オシドリのつがいはそこに住み着いただけで、オシドリ自体が仲睦まじいかは描かれていないんですよね。

オシドリから人生を学ぶ

早とちりは厳禁

故事の話のように、

おしどり夫婦はオシドリの寄り添っている姿を見た結果、勘違いが起こったと考えられます。

だって、上記に書いたようにオシドリのつがいが仲睦まじいかはわかりません。

これは早とちりかもしれませんね。

ではなぜ、そうなってしまったのか。

その理由は大きく3つが考えられます。

  1. オシドリのオスの柄がよく目立ち、人の目に触れやすかったから
  2. 繁殖は越冬で暖かいところ、つまり人が多いところに行くため
  3. 繁殖後、また北に飛びだってしまうため、その後が分からなかったため

結局は繁殖時の一番愛し合っている時に、人の目につき、その後を見ることができなかったため、このような考えになったのでしょう。

このように全体を見れば、また違った見え方になるのに、

早とちりして言葉を作ってしまったのかもしれません。

子育てのためには夫婦が助け合いが必要

オシドリが繁殖時愛し合い、その後はペアをリセットする理由は、自分の子孫を残すことが関係しています。

繁殖時一緒にいるのは、オスがペアのメスを守ることが必要だからです。

これは他のオスからも守り、自分の子孫を確実に残すための行動です。

対して、ひなが巣立った後、オスが何もしないのはオスが子育てに必要ないからです。

ひなは孵化後すぐに巣立ちます。

つまり、他の鳥とは異なり、育児が必要ないのです。

それでもひなを狙う天敵はいます。

しかし、天敵が襲っていきた時、オシドリはオスメス関係なく、残念なことにひなを守り抜くことができません。

特にメスより目立つオスはより標的になりやすいため、リスクが増えるだけです。

このように子孫を残す観点で考えると、かなり生物的に合理的なのです。

では、これを人に置き換えて、子育てを考えてみます。

人の子は独り立ちするまでにかなりの時間を有します。

自然界に比べたら天敵はいませんが、独り立ちするまでの環境を整える必要があります

母親だけでは子育て、経済的な環境づくり、と一人完璧にこなすことはとっても大変です。

誰かの手助けが必要なのです。

そんな時、母親を助け、子のために家族を守る存在はとてもありがたいです。

つまり、力のある男性はこういう時こそ、家族を守り、子どもをすくすくと育てるために役立つのだと思います。

まとめ

オシドリは残念ながら、必ずおしどり夫婦という訳ではありません。

しかし人はおしどり夫婦であるほど、子孫を残す観点では適しています。

「子は鎹(かすがい)」と言いますが、子どもの成長のためには両親がいることはとても重要であり、それを確認する上で、おしどり夫婦を思い浮かべてみるのもいいのではないでしょうか