【生き物から人生を学ぶ】身を守るために、あえて厳しい環境を選んだコウテイペンギン

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ふっくらした体によちよち歩く姿、優雅に泳ぐ姿など、人々を魅了してやまない飛べない鳥といえば、「ペンギン」です。

「生き物から人生を学ぶシリーズ」

このシリーズでは、生き物(主に動物)の形態や体の仕組み、生態と行った生きていく上で進化した生き様に着目して私たち人、そして人の社会に役立つことを紹介するシリーズです。

中でも世界最大のペンギンであるコウテイペンギンは映画にもなって、誰でも知っている動物ではないでしょうか。

ちなみにピングーのモデルにもなっていますね。

今回は、そんな厳しい環境で生きるコウテイペンギンの生態を学び、生き方を学んでいきましょう。

コウテイペンギンの生き方を学ぶ

コウテイペンギンの生息地

コウテイペンギン(別名エンペラーペンギン)は、南極大陸やその周辺の島々に生息しているペンギンです。

非繁殖期は海の近くで生息し、繁殖期になると海から100km離れた内陸部の繁殖地に生息します。

繁殖期は3月〜12月。

この長い期間を極寒の内陸部にある繁殖地で過ごすことになります。

ペンギンといえば、南極をイメージする人も多いんじゃないでしょうか?

しかし、ペンギン18種のうち、南極に住んでいるのはコウテイペンギンの他に、アデリーペンギン、ヒゲペンギン、ジェンツーペンギンの4種のみです。

ペンギンはもう少し暖かい海辺に住んでいることが多いんです。

さて上記の4種類のうち、南極大陸で繁殖するのは

  • コウテイペンギン
  • アデリーペンギン

の2種だけです。

ちなみにアデリーペンギンは、あのSuicaのキャラクターのペンギンのモデルになったペンギンで白と黒のツートンカラーのペンギンですね。

さて、この2種類のうち、

真冬の内陸部で繁殖するのはコウテイペンギンただ1種になります。

コウテイペンギンの繁殖地までの移動

冒頭で紹介した映画「皇帝ペンギン」の有名なシーンといえば、冬の繁殖シーンです。

ブリザードが吹き荒れる極寒の中、ペンギンたちが身を寄せ合い、卵を温め続けるところです。

コウテイペンギンは南極の氷がやや溶ける夏(1月〜3月)を沿岸部で過ごします。

そして4月以降繁殖地に戻ります。

これがなんと100km以上、遠いものだと200km近くと言われています。

日本で例えるなら、東京駅から熱海以上の距離を群れで行進するわけです。

その行進では、ペンギンらしいよちよち歩き。

とても可愛らしく、微笑ましいですよね。

でも、実際にはほとんどを移動は、お腹で滑る「トボガン」と言う移動方法で移動します。

歩くよりもこちらの方がスピードが早いです。

さて、このように長い距離を歩いて(滑って)繁殖地まで行くわけですが、コウテイペンギンの主食はイカや魚などの魚介類です。

つまり、繁殖地までの距離もすごいのに、これからの繁殖時期の長い間、ほとんど食べずに過ごすのです

厳しい環境を生きにくコウテイペンギンの繁殖

4、5月前後にメスは産卵し、すぐに卵はオスの「抱卵嚢」と呼ばれる羽毛によって暖かく保たれている部分に受け渡されます。

卵を産み終えたメスは餌を探しに再び海に向かいます。

そしてここから、

オスはここから子どもが孵化して、メスが帰還するまでの約120日間という長い絶食期間が入ります

しかも南半球にある南極は6〜10月は完全に、冬の季節。

特に内陸部は、海の近くと比較して温度が非常に下がります。

そして地吹雪(ブリザード)が吹き荒れ、気温は-60℃に達すると言われているほどです。

そんな極寒の環境を生き抜くために、コウテイペンギンのオスたちは「ハドル」と呼ばれる集団を作り、集団で固まって暖をとります。

ハドルでは1m四方に10匹のコウテイペンギンが密集します。

形成されたハドルはその状態を維持するわけではありません。

だってそんなことしたら、外側のオスは常にブリザードに晒される状態になり、卵を温めれる状態ではなく、寒さで死に至ることもあります。

そのため、外側のオスはなるべく暖かいハドルの内側に入り込もうとします

結果、少しずつハドルの中でペンギンたちの移動が起こるわけです。

そしてこのハドルという集団は、こんな極寒の中で繁殖を行うコウテイペンギンだけで見られる行動になります。

その後、卵が孵化し、メスが戻るまで、オスは体内の脂肪からミルク状の液体(ペンギンミルク)を作り出して、雛を育てます。

メスが戻ってきたら、再び100km以上を移動し、ご飯を食べるために海に潜ることができるのです。

今まではオスが頑張って子育てしていましたが、ここからはオスメス交代で雛に魚を与え、育てていきます。

そして、12月には雛は巣立ち、全員で夏の海に向かうのです。

厳しい環境で生き抜くコウテイペンギンから人生を学ぶ

厳しい環境で繁殖するのは生き抜くための手段

コウテイペンギンは「皇帝」なんて名前が付いていますが、皇帝らしい威厳のある姿ではなく、人に対しても全く警戒心を見せずに近づいてきてしまう生き物です。

これは二足歩行する人間を仲間だと思ってしまうからだそうです。

※南極では人はペンギンに近づいてはいけませんが、ペンギンから近づいた場合にはその限りではありません。

普通の野生動物はすごく警戒心が強く、人に近づいてくる動物は少ない。

しかし、なぜペンギンは近づいてきてしまうのでしょうか?

それは周りに天敵が少ないからです。

コウテイペンギンの天敵はシャチやアザラシで、どちらも海に生息しています。

対して内陸部にはコウテイペンギンの天敵になるような生き物は生息していません。

このように海以外の陸地には普段天敵がいないため、人に対しても警戒せず近くのです。

このことから、コウテイペンギンは

天敵から自分や子どもを守るために、天敵のいない南極の内陸部という極寒の厳しい環境を選んだのです。

コウテイペンギンにとっても苦しく、辛い環境ですが、そのお陰で天敵を気にする必要はないのです。

これは人も同じではないでしょうか。

たとえ、多少不便があったり、小さな集団のルールはあるかもしれませんが、

都会の喧騒や人ごみを離れ、田舎暮らしをする人もいるでしょう。

都会が心をすり減らすと断言するわけではありませんが、ストレスが溜まっている人は多いように思えます。

そして脱サラして、収入が少なく、農作業が大変でも、田舎に生きたいと思う人はいると思います。

敵がいる中でピリピリ生きるのはとっても大変です。

誰だって敵が少ない環境に行きたくなるものです。

それが悪いわけでもなく、それも選択肢の一つではないでしょうか。

厳しい環境、大変な環境だからこそ、助け合う

コウテイペンギンのオスはハドルを形成して、皆で暖をとります。

逆にそうしなければ、抱える新しい命だけでなく、自分の命すら危うくなってしまいます。

つまり、助け合うことが誰にとっても良い結果をもたらしてくれるのです。

生きている中で大変な状況になることは誰にでもあります。

それは仕事だったり、家庭だったり、地域だったり、災害のせいだったり。

そんな時、助け合うことができたら、どんなにいいでしょうか。

地震で大変な被害にあった時、助け合うことができれば、救われる命が増えます。

ブラック企業だって、従業員が徒党を組めば、環境を変えることができるかもしれません。

逆に一人だけ飛び出していったら、コウテイペンギンがハドルを離れたら凍え死んでしまうように、ただ辛い思いをするかもしれません。

厳しい環境、大変な状況でこそ、助け合うことが今の状況を打破する可能性が出るのです。

まとめ

多くの生き物と同じように、天敵に気を配り、生き抜くことも大切ですが、コウテイペンギンのように例え、厳しい環境でも天敵がいない環境で助け合って生き抜くこともまた一つの生き方です。

生き方は一つではありません。

写真のように誰もが明るい未来を望んで、生きているのです。