【生き物から人生を学ぶ】謎が多く、奥深い味わいのニホンウナギの生態

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土用の丑の日と言ったら、うなぎです。

うなぎは滋養強壮によく、活力を与えてくれる食材として知られてきました。

「生き物から人生を学ぶシリーズ」

このシリーズでは、生き物(主に動物)の形態や体の仕組み、生態と行った生きていく上で進化した生き様に着目して私たち人、そして人の社会に役立つことを紹介するシリーズです。

しかし、そんな美味しいニホンウナギも絶滅の危機に瀕しています。

絶滅の危機に瀕して年々漁獲量は減り続けていますが、いまだに土用の丑の日の盛り上がりがあるのはいい加減どうにかしないといけないんではないか?そう思います。

今回は、そんな美味しいニホンウナギの謎多き生態について学んでいきましょう。

ニホンウナギの生き方を学ぶ

ニホンウナギの生息地

ニホンウナギは稚魚(シラスウナギ)の時、黒潮に乗って、日本の太平洋沿岸に来ます。

その後、川を遡上し、成魚になるまで3〜5年を淡水で生活します。

同じように川と海を行き来するので有名なのはサケです。

サケは川に卵(イクラ)を生み、孵ったサケの稚魚は川を下って、海を回遊する中で育っていきます。そして繁殖のために川に戻ってくるのです。

ウナギはこの逆です。

ニホンウナギは海に卵を産み、稚魚(シラスウナギ)が川に遡上、そして育ったら、また繁殖のために海に戻るのです。

繁殖地が海になるため、ニホンウナギがどこに卵を生み、繁殖を行なっているのか、すごく謎が多い動物だったのです。

ニホンウナギの養殖

ちょっと話を変えてウナギの養殖の話をしていきましょう。

上記の通り、海から川へシラスウナギがやってきます。

シラスウナギの光に集まる性質があります。そのため、シラスウナギの量は夜間に光を水面に当て、そこを掬って捕獲します。

イカ漁と似ていますね。

捕獲したシラスウナギを養殖用のいけすで、ウナギ用のエサを与え、大きく育てていくのです。

野生の場合は川で3〜5年間育ち、繁殖のために海に戻ると言いましたが、養殖の場合豊富な餌を与えることで約2年ほどで食べ頃のうなぎにして、市場に出荷しているのです。

このように、ニホンウナギの養殖は養殖と言っても稚魚から育てる養殖方法のため、性格には半養殖法となります。

つまり、卵から成魚まで全てを養殖させる「完全養殖」がまだできていないのです。

ニホンウナギは謎が多い

ニホンウナギは長年、どこで繁殖されているのかわかりませんでした。

古代ギリシャのアリストテレスは「うなぎは泥の中から自然発生する」という言葉を残すほど、全くわかっていませんでした。

※ウナギはヨーロッパでも食用として食べられています

現在は研究が進み、ニホンウナギの繁殖地が少しずつ分かってきました。

グアム島やマリアナ諸島にほど近い、マリアナ海溝南端でニホンウナギの受精卵が見つかったのです。

つまり、マリアナ海溝でニホンウナギは繁殖行為を行うということです。

また生まれたウナギ(レプトケファルス)はマリンスノーと呼ばれることもある浮遊するプランクトンを餌に生育していることがわかってきています。

そのニホンウナギが北赤道海流に乗って、西に運ばれ、フィリピン、台湾を回遊し、そして黒潮に乗って日本の太平洋沿岸部にくるのです。

ニホンウナギは絶滅危惧種

土用の丑の日にたくさん食されるニホンウナギですが、2014年から絶滅危惧IB種に指定されています。

実際、急激に生育数を減らし、現在ではシラスウナギの水揚げ量もかなり落ちています(20年前の半分以下)。

この原因としては、乱獲によるものです。

日本で獲られるのもそうですが、今は中国、台湾も増えています。

そして養殖されたウナギをどこで食されるのか?

それは日本です。

中国等でも養殖されますが、それが日本向けとして輸出されているのです。

正直、養殖ものでも日本で養殖されたものの方が美味しいんですが、中国産の方が価格も安く市場に大量に出回っています。

スーパーやコンビニ、外食チェーンの安いウナギはそう言った乱獲によるものと考えて間違い無いでしょう。

乱獲も問題なんですが、

そもそもを考えれば、日本人が大量に食べてきたことに問題があります

なのに、土用の丑の日になると、いまだに大々的に宣伝され、そこら中で売られるウナギ。

食品メーカーに勤めている私としても、美味しいのはわかりますが、

このままではいけないと本当に思っています

土用の丑の日の短期的な売り上げ、利益にはなるかもしれませんが、このままでは長期的に販売ができない。

ならそんな食品業界からでも変えていきたいものです。

謎多き生態を持つニホンウナギから人生を学ぶ

今回は、なぜ川で成長するのか、なぜ海に戻るのか、まだまだ謎が多いニホンウナギ。

そんなニホンウナギについて、人との生活を踏まえて、人生について学べるところを抽出しました。

いいところがあれば、魅力になる

先ほど書いたようにニホンウナギはとっても謎が多いです。

でも、謎が多くてもここまで注目されるのは、ニホンウナギが美味しいからです。

そして美味しい調理法が見つかったからです。

美味しくて、ミネラル豊富で、滋養強壮にいい。

こんなにいい魚をほっとけるわけありませんよね。

このようにいいところがあれば、それが魅力になります。

逆に言えば、その魅力に気づいて上げることとができれば、誰だって輝くことができるのです。

例えば、生のうなぎは実はゴムのように固い食感を持っています。

でもそれを上手に下処理し、調理法を工夫することで味も食感も格段に上がります。

それは職人さんの腕にかかっていますね。

関東風のように蒸してから焼けば、ふんわりとした食感に。

関西風のように焼けば、脂も乗ってカリッとしたジューシーな食感に。

ヨーロッパでもうまく調理するのは美味しいのですが、ぶつ切りにしてゼリー寄せにしたものはかなり人気がない料理です。

つまり、一見見た目が悪くても

いいところを見つけて、それを伸ばしてあげれば、その人の持っている持ち味を最大限に引き出し、輝くことができるのです。

魅力があるからこそ、謎にも興味を持たれる

そんな美味しさという魅力あるニホンウナギですが、

もしニホンウナギが不味かったら、どうだったでしょうか?

謎が多いので、一部の研究者には注目の研究内容だったかもしれません。

でも残念なことに、一般の人から見たまずくてあまり大きな価値を感じない。

そして社会的にもメリットがないということで、研究費はつかないかもしれません。

つまり、ニホンウナギは生態の謎を知ることが、人にとってもいいんです。

逆にそんな謎があるほど、深みを感じるのかもしれません。

一つ輝く魅力があれば、逆に謎もまた魅力になります

輝ける部分を持つことが大切なのが見えてきますね。

最後に

うなぎは美味しくて、私も大好きです。

でもでも、絶滅危惧種である以上は今後、さらに減り、値段も上がることでしょう。

おいしいという魅力は最高に素晴らしいですが、なくなってはそれを食べることもできなくなります。

良さの出し方もまた考える必要があるのかもしれませんね。