【実話】オオカミが生態系に及ぼした奇跡!イエローストーン国立公園の例

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日本オオカミ協会が「オオカミを人の手で日本に再導入する」そんな話をご存知ですか?

外来種が問題になっているのにそんなことするなよー

と思うかもしれませんが、先日紹介したようにオオカミは1種のみで、かつていたニホンオオカミ、エゾオオカミも現在のタイリクオオカミの亜種なため、生態系への影響は少なく、それどころかシカやイノシシといった害獣による農作物被害を減らすことができると考えられています。

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オオカミって聞いて何を想像しますか? 「赤ずきんちゃん」をはじめとした童話の中では、完全な悪役として出てきます...

実際に、オオカミを再導入して生態系が回復した例があるのです。

それがアメリカ、イエローストーン国立公園です。

今回は、オオカミ再導入によってイエローストーンに起こった奇跡を紹介します。

オオカミがいなくなったことで何が起こったか?

1926年野生の最後のオオカミが殺される

1926年最後の野生のオオカミが殺されました。

そもそもなぜオオカミを殺したのか?

その理由は家畜を守るためです

オオカミは生態系のトップに君臨しています。

そのため、牛や豚などの家畜を襲いました。

畜産家は大打撃ですよね。

結果、オオカミを狩猟していったのです。

これは日本でも同じですよね

シカが増え、植生が大きく変化した

オオカミが絶滅したイエローストーンでは、今までオオカミよって捕食されていたワピチ(アメリカアカシカ)が数を増やしました。

今までオオカミに捕食されることで数が増えなかったわけですが、オオカミがいなくなったことでワピチは数を増やしたのです。

ワピチは草食性ですが、非常に大型のシカです。

オオカミの代わりに生態系のトップに登ったのはオオカミより小型のコヨーテと雑食性のハイイログマです。

しかし、コヨーテは成獣のワピチを襲いません。

ハイイログマもあまりワピチを襲いません。

結果、数を増やしたワピチが植物を食べ、木々が、森がどんどんあれていったのです。

これはヒバリなどの鳴き鳥の住処を減らしました。

動物も数を減らした

オオカミがいなくなったことで、コヨーテも増えました。

しかしワピチなどの大型の動物を食べないので、アカギツネなどを捕食します。

そしてネズミなどの小型の動物もどんどん数を減らし、生態系が大きく変化したのです。

オオカミの再導入によって起こったこと

畜産家からの反対は大きかったのですが、1995年カナダからオオカミを再導入しました。

これは野生生物の再導入において「20世紀最大の実験」と言われています。

シカが減った

オオカミ再導入の結果、まず一番森に被害を及ぼしていたワピチの数が減りました。

激減したわけではなく、適切な数に戻りました。

ワピチたちはオオカミに狙われやすく、逃げにくい、谷間や障害物が多い場所を離れるようになりました。

緑と鳥の鳴き声が戻ってきた

ワピチが離れたことによってこれらの地域には今までワピチによって食べられていた草木が戻ってきます。

木々も約6年で5倍になったところもあります。

今まで裸同然だった谷間も様々草木が生い茂る森に様変わりです。

その結果、鳴き鳥が戻ってきました。

様々な動物が戻ってきた

木々が増えたことで、ビーバーが住み着きました。

ビーバーは生態系のエンジニアと呼ばれています。

それはビーバーの作るダムが他の動物の住処にもなるからです。

ダムはカワウソやマスクラット、カモ、魚、爬虫類、両生動物など多くの生物の住処となりました。

また、オオカミがコヨーテを捕食することで、コヨーテの餌食となっていたウサギやネズミの生息数が増加し、その結果、ワシ、イタチ、狐、アナグマなども増えたのです。

自然環境が激変し、水と緑の豊かな場所になった

さらに驚くべきことはこの後です。

木々の減った川は侵食が進み、流れが速くなって動物にとっては危険な状態でした。

それが環境が変化し、川が蛇行し、浅瀬もできました。川辺も崩れにくいものに変化した。そして浅瀬を住処にする様々な動物が戻ってきたのです。

このようにオオカミを再導入して20年して、イエローストーン国立公園はまた綺麗な水と緑、そして様々動物が共存する場所へと変化したのです。

まとめ

人にとってはオオカミは必ずしも良いものではありません。

しかし、生態系のトップであるオオカミを絶滅させては他の動物に変化を及ぼし、場合によっては人にも影響を及ぼすのです。

これは日本でも同じです。

エゾシカによる森の破壊、ニホンジカ、イノシシによる農作物への被害。これらはオオカミなどの捕食者がいなくなったことによる数の増加が原因の一つなのです。

現在、オオカミは特定動物に指定されていることから、日本では法的にオオカミを放つことはできません。

イエローストーン国立公園は生態系を復活させた一つの例です。

そして生態系を守るためにはそのバランスが大切なのがよくわかる例だと思います。

この例から日本における生態系の保護についても考えてみてください。