【アリクイのいんぼう】印鑑を通して、己を鑑みる、そんなお話

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アリクイのいんぼう 家守とミルクセーキと三文じゃない判 (メディアワークス文庫)

動物大好きな管理人のつむぎです。

本屋さんに立ち寄って、このカバーのミナミコアリクイが気になってしまって、ついつい買ってしまいました。

小説のレビューは初めてですけど、読んで面白く、そして心温まるお話でしたので紹介します。

幾つになっても小説は書ける

まずは、今回紹介する「アリクイのいんぼう」の著者について紹介します。

鳩見すた

この著者のこと、全く知りませんでした(笑)。

と言うものも、よくよく調べてみたら、2014年の第21回電撃小説大賞に輝き、それからプロデビューを果たした著者なのです。

つまり、最近出てきたばかりですね。

そのとき、大賞に輝いたのがこちら。

1〜3巻まで出ているライトノベルになります。

こちらのページで試し読みもできましたが、ちょっと続きを読みたくなりましたね。

その次に出たのが、「この大陸で、フィジカは悪い薬師だった」。

そして3作目が「アリクイのいんぼう」です。

それまではライトノベルですが、アリクイのいんぼうは今までとはだいぶ作風が変わっていますね。

いろんな経験があるから書けるのかも

そしてこの鳩見すたさんの面白いところは、家族に「夢」を聞かれて、

「昔、小説家になりたかった」と言うと

「じゃあ、今から書けば」と言われて、本当に書き出したと言う人なのです。

もちろん、仕事もしていました。

先ほど、初回した「ひとつ海のパラスアテナ」の特設ページにもアイディアが浮かぶのが「通勤途中」って書いていますもん。

こんな経験があるからこそ、昔から小説を書いている人とはまた違った視点があるのかもしれません。

「アリクイのいんぼう」読書感想文

あらすじ

ようこそ、アリクイさんが営むおいしいハンコ屋さんへ

「人がハンコを作る時には事情があります」そう語るのは喫茶店にして印章店という『有久井印房』の店主。
しかしその姿はどう見ても白いアリクイで、なおかつ少々ふっくら気味。そんな店長をサポートするのは、ウェイトレスの宇佐ちゃんと、キザなカピバラのかぴおくん。
「ハンコを作ってください!あれ、なんでシロクマが?」
訪れ驚くお客さんに「ぼくはアリクイです」と静かに出されるコーヒー。
不思議なお店で静かに始まる、縁とハンコの物語。

あらすじ抜粋

悩みを抱えた等身大の登場人物

お話は、4編に分かれています。

書く話で、キャリアウーマン、老人、大学生、小学生と年代も立場もバラバラな登場人物が出てきます。

そんな彼・彼女らが悩みを抱え、「有久井(アリクイ)印房」と言う印鑑と食事を出すお店に訪れるのです。

そして、どうみてもミナミコアリクイにしか見えない店長、カピバラのかぴおくん、うさ耳と尻尾のある宇佐ちゃんが働いているそんな不思議なお店に、訪れ、そのお店を通して悩みと向き合っていくのです。

ずっと浸っていたくなるような優しい世界

昔からあるような喫茶店を想像してみてください。

レトロ調の店内にゆっくりとした音楽が流れ、コーヒーをゆっくり飲むような感じ。

まるで、その感じです。

「有久井印房」の中で流れる時間は、そんなとってもゆっくりと心休まるような雰囲気がすごく伝わってきます。

そのような情景を言葉にできるなんてすごいなーと思いますね。

この小説はすごくインパクトのある小説ではありません。

でも代わりに優しく、そして愛おしさを感じる小説です。

言葉遊びや布石がいっぱい

「アリクイのいんぼう」

いんぼうはひらがなです。つまりここには色々な漢字を当てはめることができますよね。

  • 印房
  • 陰謀

どっちの意味も取れますし、実際読んで、どっちの意味もあるんだろうなって思います。

これ以外にもそんな言葉遊びが沢山あります。

個人的には「大ありですよ!」「オオアリクイだけに?」「コアリクイだよ」ってくだりは笑いました。

動物のネタもうまく使っているところがいいですよね。

そしてさらに一個一個の話は別の主人公の視点の話ですが、「有久井印房」を中心に話が進んでいくため、必ずどこかで繋がっています。

最後まで読んだり、読み直すと、「ここはあれにつながっていたんだ」「そう言う意味だったんだ」という発見があります。

私もまだ2周目ですが、そんな発見があるので、また楽しめています。

最後に

表紙買いしましたが、すごく心温まる小説で、続編が出たら是非読んでみたいと思いました。

そして、実印を作ってみたくなりました(笑)。

動物好き、動物に癒されたい人、温まる小説が好きな人にはオススメの一冊です。