【生き物から人生を学ぶ15】雪国を生きるためにメスもツノを持つトナカイ

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12月になりました。

音速で飛ばないと世界中の子どもたちにプレゼントを全て届けることができないサンタクロースもプレゼントの準備で大忙しの師走ですね。

サンタクロースの乗るソリを引く動物といえば、「トナカイ」です。

あの枝状に伸びたツノが特徴的ですよね。

今回は、そんなトナカイの生き方を学んでいきましょう。

トナカイの生き方を学ぶ

トナカイ概要

トナカイは、哺乳綱鯨偶蹄目シカ科トナカイ属に属する動物です。

ちなみにトナカイ属は1種です。シカ類はシカ属になるために系統的には異なるというわけです。

  • 体長:120 – 220 cm
  • 肩高:90 – 150 cm
  • 体重:60 – 300 kg

寒冷な環境から身を守るぶ厚い体毛を持ちます。

見るからにふわふわで暖かそうですよね。しかもこの体毛は毛の内部に空洞があり、保温性に優れています。

これは、冬に大活躍するダウンと同じ仕組みです。

蹄は大きく、接地面が大きいことで体重が分散されるため、雪の上でも沈むことなく歩くことに適応しています。

トナカイという言葉はアイヌ語に由来します。

海外ではカリブーと呼ばれることもあります。

トナカイの生態

トナカイはツンドラ地帯に生息します。

ツンドラ(ロシア語:тундра, 英語:tundra)とは、地下に永久凍土が広がる降水量の少ない地域のことである。凍原(とうげん)、寒地荒原(かんちこうげん)と訳す。

引用:wikipedia

群れを形成し、地域や季節によっては大規模な移動を行うこともあります。。

食性は草食性の強い雑食性で夏は草や葉、時にレミングや虫等の小動物を食べ、冬は角や蹄で雪を掻き分けて下に生えた地衣類(いわゆる苔)等を食べる。

9月〜10月に繁殖期を迎え、4月〜6月にかけて1回に1頭を出産します。しかし、ツンドラという厳しい環境に住んでいるため、成獣までの生存率は高くはありません。

シカと違ってメスもツノがある

トナカイ以外のシカ科の動物は、メスはツノを生やしません。

それはツノがオスの強さの象徴であり、戦いの手段になっているからです。

つまり、強さを示す必要のないメスがツノを生やす意味はないのです。

しかし、トナカイはメスもツノを生やします

これが他のシカ科との大きな違いです。

なぜでしょうか?

先ほどあったようにトナカイは4~6月に出産します。

でもこの地方ではまだまだ寒く、かなり雪が残っています。

メスはこのツノを利用することで、雪や枯葉をどかし、子供を育てる環境を整えているのです

11月までにオスのツノは落ちるため、冬はメスの方が強く、オスをどかしてでもしっかり食べることができ、お腹の子供にしっかり栄養を送ることができるのです。

母は強し、ということですね。

人とトナカイの関係

人とトナカイの関係はとっても古いです。

それもそのはず。

実はトナカイは、人が最も古く家畜化した動物の一つだからです。

乳用、食肉用、毛皮用に加え、ソリを引く使役や荷役にも利用し、人々の暮らしを支えてきたのです。

ちなみに日本でも北海道でトナカイが商業飼育されています。

ツノが落ちる。サンタクロースを引くトナカイは…

トナカイのツノはとても特徴的ですよね。

このツノ、毎年生え変わっているのです。

ツノが落ちることを「落角」と言います。

この落角の時期はオスとメスで異なります。

雄は繁殖期を終えた10月〜11月。

雌は子育てが始まる4月〜6月。

つまり、真冬にツノが生えているのは「メス」です

さて、ここまで読んで、疑問に思った方もいるのではないでしょうか。

クリスマスにサンタクロースのソリを引くトナカイは全てメスになるのか?

ではここでサンタクロースのトナカイを確認してみましょう(雌雄は名前から判断しました)。

※私もこの記事を書くために調べて初めて名前がついていることを知りました(笑)。

  • 赤鼻のルドルフ オス
  • ダッシャー   オス
  • ダンサー    メス
  • プランサー   メス
  • ヴィクセン   メス
  • ドンダー    オス
  • ブリッツェン  オス
  • キューピッド  オス
  • コメット    オス

名前から推測するに、9頭のうち6頭は雄です。

あれ?オスは11月にはツノを落とすはずなのになぜツノがあるのでしょうか。

実は12月なってもツノを生やす方法があるのです。

それは

  • 去勢したオス
  • 繁殖競争に負けたオス

になるのです。

なんかとっても可愛そうな話ですよね

トナカイの生き方から人生について学ぶ

ここまでトナカイの生態を見てきました。

この生き方から、何が学び取れるでしょう。

ツノは強さの象徴だけでなく、雪国を生きにくために

多くの動物にとって、ツノは他のオスよりも優位に立つための「強さの象徴」であり、「強い武器」です。

トナカイの雄についてもそれは変わりません。

しかし、トナカイはメスもツノを生やします。

オスは単独行動ですが、メスは集団で行動することが多く、その中で優劣はあまりありません。

それでもトナカイのメスはツノを生やします。

これは子孫を残すために必要なことだからです。

子孫を残すために、母体がしっかりとした栄養を摂ること、安全な場所を確保することが必要です

そのためにツノが活躍するのです。

これを人に置き換えてみましょう。

人の場合、子供は母親のお腹の中で十月十日という長い時間を母親からの栄養で成長します。

そして、子供も生まれてから、一人で立つようになるまで数年。

さらに独り立ちするまでに、かなりの時間を要します。

つまり、トナカイのおかげで生まれる栄養摂取、安全な暮らしを人はより考えなくてはいけません(トナカイよりも子育て期間が長いわけですから)。

今の日本では非常に治安も安定しているし、食料もどこでも販売しています。

でもだからこそ、子育てという原点に立ち返って、必要なことを考える必要があるかもしれません。

母は強し

まさに子育て時期のトナカイのメスそのものかもしれません。

最後に

環境に適応し、子孫を残すために、メスもツノを生やし、オスよりも長い期間つけています。

私たち人も何が必要なのか考えると面白いかもしれません。