食品メーカーは就職先として魅力的な業界なの?

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こんにちは、食品メーカーで研究開発の仕事をしている管理人のつむぎです。

就活生の皆さん、または転職活動をされている方、食品業界、特に食品メーカーに興味はあるんじゃないですか?

食品は身の回りにたくさんある、一つの単価そこまで高くないので手にとって買いやすいですし、健康にもすぐに影響することなので、すっごく身近でイメージがしやすいことでしょう。

その結果、新卒入社では人気が特に高くなっているのが食品業界です。

私は研究開発ということで理系なのですが、他の業界の研究開発を受けている友人と話していても、圧倒的に業界全体的に倍率が高くなっていたことが印象的でした。

今回は、食品メーカーの取り巻く環境を踏まえ、食品メーカーが魅力的な業界なのか?考えてみましょう。

食品メーカーを取り巻く環境

まずは食品メーカーの中身ではなく、メーカーを取り巻く社会の環境について見ていきます。

食品業界全体は微増

まずはこちらのデータを見てください。

引用:食品産業動態調査(農林水産省)

青の線が食品製造業、つまりメーカーの生産額になります。

過去14年の中で食品メーカーの生産額はほぼ横ばい(年数%アップ)です。ここ数年は良くなっていることがわかります。

GDPの線と比較しても、GDPとはあまり相関はなさそうです。

要するに食品メーカーの市場は微増またはほぼ横ばいということは、安定性が高いことがわかりました

国内の市場は増えているが、今後減る可能性が高い

国内の生産額が増えた理由は大きく2つあります。

  1. 世帯数の増加による食の変化
  2. 食の多様性

1は核家族、単身世帯の増加です。

大家族であれば、生鮮食品を買って、家で多い量を調理することでしょう。

しかし、今は家族の人数が減り、また共働きも多いことから、中食、外食の市場が増えています。

実際、先ほど引用した農水省の資料でも生鮮食品の売り上げが落ち、総菜や加工品の売り上げが上がっているデータがあります。

2は食の多様化、つまり安くて腹の溜まるものから、健康志向性の高い食品・ブランド品といった高級路線と幅が広がったことです。

特に健康指向性が高いものになるほど、単価が上がっていますね。

しかし!

日本は高齢社会です。

年をとると自ずと運動量や代謝量が減るため、食が細くなります。

つまり、それは食品の消費が落ちることを意味します。

※その証拠に年々、高齢者向けの製品やサービスは伸びている傾向にあります。

また高齢社会だけでなく、日本は少子化です。

つまり若い世代が減ることで、一番の量を消費世代が減少することを意味します。

現在はまだ微増ですが、今後日本の人口が減少に転じると国内消費は落ち込む可能性が高いのが現状です。

国内メーカーの海外比率は上がっている

引用:食品産業動態調査(農林水産省)

国内の消費が減るなら、消費が増えることへ販売するようになります。つまり、海外になります。

自動車などの機械メーカーに比べると食品は単価が安いため、輸出は利益が取りにくいことから、生産拠点も海外に作ることが一般的です。

上記のグラフ通り、年々海外の現地法人数は増えており、売り上げも上がっています。

また、国内企業の海外売り上げ比率も大きくなっています。

引用:農林水産省

上記の表は2013年のデータですが、ビールメーカーで1/4程度が海外比率です。今はもっと上がっています。

また大手の中には、キッコーマンのように売上の半分が海外というところも出てきています。

しかし!

しかしながら、海外比率が大きくなっているのは大手企業が多く、中堅メーカー、中小企業はほぼ国内というメーカーが多いのが現状です。

国内の食品メーカーの魅力と欠点

様々な情報と私自身、食品メーカーに携わって感じる面を考慮して、しっかり紹介します。

魅力1:身近な食に関われること

食品メーカーの一番の魅力は身近な食に関われることです

おいしいことは幸せにつながります。

家庭の食事が良ければ、家庭の幸福度の上昇に繋がります。

実際、この点で採用試験に望む方は多いですし、私もそうでした。

自分たちが作ったもの、関わったものがスーパーやコンビニで並び、それを「美味しい」って言ってもらえるのは素晴らしい魅力だと思います。

魅力2:健康に関われること

食事と健康の関わりは非常に深いです。

そんな食と健康に関わることができるのが、食品メーカーの魅力です。

健康にいいバランス食を考え、それを提案することができます。

健康にいい惣菜や加工食品が作れます。

その食事の健康の良さを広めることができます。

テレビ番組などではちょっとやり過ぎかなって謡い方はあるのですが、それでも食べる人の健康を考えることができるため、社会貢献性も非常に高いと思います。

魅力3:福利厚生が良い企業が多い

完全に業界の中のことですが、比較的福利厚生が良い企業が多いです。

これは良くも悪くも古い体制が残っているとも言いますが・・・

まず、営業所にはない場合もありますが、基本的に会社に食堂があり、かなり格安で昼食をとることができます。

福利厚生という意味の他に、外部の食品を持ち込まないことで衛生管理をしているという意味合いもあります(特に製造工場はそうです)。

他には、住宅手当も出ているところが一般的です。

食品メーカーは平均すると、年収は他業界に比べて高くありません。しかし、手当分を計算すると意外と高くなる場合があります。

欠点1:利益率が低い

まず、海外メーカーと国内メーカーの売上と利益率のグラフを見てください。

引用:「国際的に見たわが国食品産業の実態と今後の戦略」みずほコーポレート銀行

上のデータは営業利益率なので、最終的な利益はもう少し下がることが考えらます。

しかし、海外メーカーに比べると、国内企業の利益率が低いことは明白です。

食品業界全体の売上高経常利益率は約3.2%です。製造業全体の利益率が6.8%なので食品業界の低さがわかります。

ちなみに2015年のデータで10%を超えるメーカーは次の5つです。

佐藤食品工場、ヤクルト本社、ユーグレナ、カルビー、日油

利益率が高いということは、設備投資や研究開発、海外事業の拡大といった投資がしやすく、逆に低いということはそれらの投資行動が制限されてしまうわけです

また、利益率は国内の小売業者が多く、直接販売ではなく商社などの中間流通業者が必須な点もこの原因の1つです。

欠点2:原料の変動を大きく受ける

ここ最近、食料品の値上げのニュースがありますね。

食品は身近な分、直接消費者の生活に影響を与えます。

例えば、車やパソコンなんかは買わないという選択肢がありますが、食品は買わないといけないのでしょうがない話です。

利益率が低いということは価格をかなり低く設定しているとも言えます。

その結果、原料の値段が高騰すると商品の価格をあげなくては利益を取れなくなるのです。

でもちょっと待ってください。

食品の原料って何でしょう?

そう、野菜や肉、魚などです。

つまり自然の影響を受けやすいものばかりです。

野菜などの植物由来のものはその年の気候に影響します。

魚は漁獲量によって左右します。

養殖魚や肉は餌、つまり植物などの値段によって変わります。

このような原料リスクとはいつも隣り合わせになるのです。

欠点3:消費者の満足度の水準が高い

そして最後に私や皆さんも含めた消費者の食品に対する満足度が極めて高いことです。

引用:「国際的に見たわが国食品産業の実態と今後の戦略」みずほコーポレート銀行

特に「いいものを安く買いたい」そういう傾向が国内では強いですね。

これは食品に限ったことではありませんが。

確かに私も良いものが安く買えたら、嬉しいです。

でももしまた買うことになった時、元の値段で買うか?また安くなるのを待つか?って言われたらどう答えますか?

そりゃあ、安くなるのを待ちますよね。

でも小売の特売ってメーカーの販促費で出ていることも多いのです。

また消費者は非常に安全安心を求めます。結果、1回の事件が会社を倒産させる場合もあるのです。

昨年、O157の事件のあった惣菜店「でりしゃす」は全店閉店になりました。

食はなくてはならないものであり、健康に影響するため、非常に消費者はシビアになります。

最後に

食品メーカーは身近な食に関わることができるため、非常にやりがいのある業界です。

しかし、国内の市場環境や国内のメーカー事情が良いかというと国際的にみると問題点があります。

その原因の一端は国内メーカーが成長性よりも安定性を求めたことにあります。

そして、現在は変革の時期にきていると思います。

今後は変革を提案できること、変革に対して柔軟に対応できること、が求められる、私はそう考えています。