廃棄パンからビールを作る英国食品リサイクル企業ー古代のビールからの発想

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ビールは好きですかー?

1杯目はとりあえずビールっていう方もいるのではないでしょうか?

今回紹介するイギリスのビールは、廃棄されるパンから作った「トーストエール」です。

廃棄パン・・・とちょっと嫌厭される方いると思いますが、食品廃棄物の問題はどこの国でも非常に問題になっているのです。

そんな問題に対して、パンからビールを作るという食品リサイクルの取り組みについて紹介します。

食品廃棄物問題

食品廃棄物とは

食品の製造・加工・流通・消費などの際、廃棄される食品の総称。製造や加工の際に発生する廃棄物や、流通の際に発生する売れ残り、消費の際に発生する調理屑くずや食べ残しなど。

引用:大辞林

つまり、食品製造の際に出るもの、また賞味期限、消費期限をすぎたものです。

しかし、この他にも売れ残り家庭から出る生ごみも含まれます。

食品廃棄物減少の取り組み

各食品メーカー、流通業者、小売業者はそれぞれ、廃棄物を減らす取り組みをしています。

引用:環境省ー食品廃棄物等の利用状況等(平成26年度推計)

実は食品廃棄物を処理するのもお金が掛かるため、企業としては減らすかリサイクルとして別の形で販売したいというのをあるのです。

現在行われている手段としては

  • 賞味期限・消費期限の延長(包装などの開発)
  • 流通の改革
  • 食品リサイクル

この3つが主に行われている、今後も取り組んで行く課題になります。

企業としては、なるべく原料の全てを使いたいし、さらには売れ残っては欲しくありません。

でも出てしまいます。

この食品廃棄物を如何にも処理するのかも、企業の宿命ですね。

廃棄パンから作る「トーストエール」を探る

ビールの作り方

トーストエールに入る前に、そもそものビールの作り方をおさらいしましょう。

引用:キリンビールHPより一部抜粋

ビールは大麦を発芽させた麦芽(モルト)の持つ酵素により、大麦のでんぷんが糖に分解されます。

そこにホップを加え、アルコール発酵することで、できるという2段階の発酵になります。

つまり、トーストエールは麦芽を使う代わりに、廃棄されたパンを利用するということです。

メソポタミアで発明されたビール

ビールの誕生については諸説があります。

その歴史は古く、紀元前8000~4000年と言われます。

人類最初の文明は、メソポタミアに興ったシュメール文明だといわれており、シュメールの人々が粘土板に楔形文字で描いたビールづくりの模様が記録に残っていまた。

この時代のビールは現代のように麦芽を利用したものではありません。

当時のビールの製法は、麦を乾燥して粉にし、それを元にパンに焼き上げ、このパンを砕いて水を加え、自然に発酵させるという方法です。

どのように発明されたかは、定かではありませんが、

パンを水につけて置いたところ、発酵し、恐る恐る飲んで見たら、美味しかった

のではないかと思われます。

このパンから作るビールこそ、今回の主題の「トーストエール」そのものです。

つまり、トーストエールは現在の食品廃棄という問題に対して、古代のビールの製法で解決しようという取り組みなのです。

トーストビールの作り方

廃棄パンからビールを製造、英国の食品リサイクル

この事業を進めるのは、食品廃棄物をなくす活動に取り組む団体「フィードバック(Feedback)」の創設者トリスラム・スチュアート(Tristram Stuart)氏です。

イギリスでは年間1500万トンの食品廃棄物が出ており、その大部分を占めるのがパンです。しかも製造したパンの約44%が廃棄されているというところに目を付けたのです。

というか、イギリスのパンの廃棄量が半端ないですね。

実はこのトーストエールですが、レシピが公開されています。

それによると、作り方は次の通りです。

  1. パンを十分乾燥させ、クルトン状に粉砕
  2. 穀物を67.7℃の湯で溶いて発酵
  3. 麦芽にお湯を吹きかける
  4. ボイルしてホップを追加

現在、このトーストエールの売り上げは全て「Feedback」に寄付しているそうです。

トーストエールの目標はブランドがなくなること

企業においてブランド戦略はとっても重要な手法です。

いかにブランドを形成し、そして育てて行くか。

しかし、トーストエールは全くの逆です。

上記で見たようにトーストエールは食品廃棄物を無くすことを目指した活動の一環です。

このトーストエールというブランドが存在するということは食品廃棄物がまだ多いということを示します。

つまり、トーストエールというブランドの消滅こそ、食品廃棄物の減少を意味するのです。

最後に

日本国内においても食品廃棄物は問題です。

それは企業だけでなく、家庭から出ることもまた問題なため、一人ひとりが考えるべき問題だと思います。

トーストエールのように物として、食品廃棄物問題に取り組み、啓蒙するのは非常に新しい取り組みであり、面白い取り組みだと思います。

今後どのようになるか、これからチェックしますね。