怪我した手で料理は危険!身近に起こりやすい食中毒とその対策

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紙で、指をきって痛い思いをしている管理人のつむぎです。

紙だと、いつの間にかスパッと切れてて気がついたときには血が出ている事があって怖いですよね。

さて、誰でも手に怪我をすることは良くあります。

切り傷、擦り傷、冬であれば手荒れもそうですね。

そんな傷があるときに料理をするときに細心の注意が必要です。

なぜなら、黄色ブドウ球菌による食中毒を引き起こす可能性があるからです。

今回は、傷口からの黄色ブドウ球菌による食中毒と、その対策についてご紹介します。

黄色ブドウ球菌は身の回りにいる

黄色ブドウ球菌とは?

黄色ブドウ球菌とは、ヒトや動物の皮膚、消化管などにいる常在菌(腸内細菌)であるブドウ球菌の一つです。

つまり、いつも自分の体にいます。

手にはもちろんいますし、鼻腔にも多くいると言われています。

黄色ブドウ球菌を始めとした常在菌がいるからこそ、食事の前には手を洗うことを進めている点もあります。

しかし黄色ブドウ球菌は、通常の生育場所である皮膚表面や鼻腔などでの増殖自体は強いものではありません。

そのため、健常者は通常、発病につながることは少ないのです。

黄色ブドウ球菌が引き起こす食中毒

黄色ブドウ球菌自体は常にいる菌ですが、皮膚ではそこまで増殖しないし、また熱で普通に死にます。

しかし、この黄色ブドウ球菌が恐ろしいところは、この菌の作るエンテロトキシンと呼ばれる毒素です。

この毒素の怖いところは、熱では壊れにくい、ということです。

つまり、料理に黄色ブドウ球菌が入り、増殖し、毒素を作ってしまうと、加熱調理する料理であっても食中毒を引き起こしてしまうのです。

もし、汚染した料理を食べてしまった場合、2〜3時間後にはき気、おう吐、腹痛を引き起こします。

濃度が高い場合には30分で起こることもあり、すぐに食べて比較的すぐに症状を引き起こすのがこの食中毒です。

もともと手にいる菌なので、様々な食品で起こる可能性があります。

中でも、特におにぎり・弁当・サンドイッチ・ケーキなどの素手で扱う「手づくり食品」で起っています。

飲食店で素手で作るといえば、お寿司を思い浮かべます。

しかし、お寿司の場合は、酢を含むことで、おにぎりに比べると、黄色ブドウ球菌が増殖しにくい環境になっています。

引用:くらしの健康(東京都)

ただし、寿司は生のネタもあるので、早めに食べた方がいいですね。

実際に報告されている食中毒の実例をみると、飲食店(約 35~45%)、家庭(20%前後)、仕出屋、 旅館など、となっています。

過去にあった黄色ブドウ球菌による食中毒

過去の事件はこちらから参照できます。

ブドウ球菌食中毒 IASR 国内情報(1997年から2011年までの記事一覧)(国立感染症研究所)

おにぎり、弁当、家庭内でも良く起きる食中毒ですが、過去にもっとも大きな事件は「雪印集団食中毒事件」です。

現在の雪印メグミルクの前身である雪印乳業が引き起こした戦後最大の食中毒事件です。

食品メーカーなら、おそらく危機管理やHACCP、過去の事例などで必ず学ぶ事がある事件だと思います。

2000年当時、乳業メーカー最大手の雪印食品の乳製品(主に低脂肪牛乳)により発生し、食中毒患者として認定された人数は14,780人です。

志望者はありませんが、子どもなど入院患者も出ました。

この事件の原因は、大樹工場(北海道大樹町)で製造された脱脂粉乳が停電事故で汚染され、それを再溶解して製造した脱脂粉乳を大阪工場で原料として使用していた事です。

つまり、製造過程で起きた停電によって、脱脂粉乳が20度以上に温められたまま4時間立ったのです。もちろん、これなら黄色ブドウ球菌は増殖し、毒素を作れます。

通常、これを捨てるところ、「殺菌装置で黄色ブドウ球菌を死滅させれば安全」と判断して、菌は死んでも毒素で汚染した脱脂粉乳を作ったのです。

しかもこれと同様の事件を、1955年にも起こしていたのです。

  • 食中毒への理解不足
  • 再発防止が徹底されていない、教育がなっていない
  • また会社の対応の遅さ

これらがあり、この事件は非常に話題になりました。

ちなみにこの事件により、社長退任。さらにその2年後グループ会社の雪印食品で牛肉偽装事件を引き起こし、業界大手であった雪印乳業は解体になりました。

なぜ傷が原因になるのか?

さて、タイトルに戻ります。

「怪我した手での調理は危険!」です。

通常の状態でも手に菌はいますが、多くありません。

しかし、怪我した部位で黄色ブドウ球菌が増殖し、体内に侵入しようとします。

健常状態であれば、体の免疫機能によって、体内への侵入を防止します。

ただ、この怪我の部分には菌が多いのです。

つまり、怪我している状態は、この菌がたくさんいる状態です。

そのまま調理をすれば、この菌を料理に移し、毒素を作らせてしまうことになるのです。

そのため、各都道府県市町村でも「怪我した時の調理は気をつけましょう」というのです。

また同様に、咳や鼻水からも料理に移りやすいです。

黄色ブドウ球菌以外の菌やウイルスもあるので、風邪や花粉症の時には必ずマスクをしましょう

怪我したときの調理の注意事項

まず怪我をしていないときでも、しっかり手を洗いましょう。

証拠にこちらの写真をご覧ください。

引用:くらしの健康(東京都)

手合いをした後、手についている菌が大幅に減った事が分かります。

実は手洗いでは全ての菌を落とせません(もし落とせたら、手の皮膚も相当のダメージを受けます)

しかし、手洗いをした前後では、明らかに大きな差が出るのです。

調理をする前には、しっかり手を洗いましょう。

さて、ここからが本題の怪我をしてしまったときです。

調理をしない

一番いいのは、怪我が治るまで調理をしない事です。

再度言いますが、怪我したところに黄色ブドウ球菌が多くいます。

つまり、そんな手のまま調理したら、料理に入るのは仕方がないのです。

とは言っても、

全く作らないなんて難しいですよね。

調理する場合は、手袋をつける

もし怪我してすぐに調理をしたいときは、必ず手袋をしましょう。

ゴム手袋のようにしっかりしたものでもいいですし、破れなければ、ビニールタイプのものでも大丈夫です。

手袋をする事で、食材や料理と手(怪我した部分)が触れるのを防ぐ事ができます。

私も家にビニールタイプをいつも常備していますが、ハンバーグのように油が多かったり、手で練ったりする調理の時には、手が汚れないので、重宝しています。

防水タイプの絆創膏があるともっと良い

また、それだけでなく、傷口はしっかり、防水タイプの絆創膏をしておくとさらにいいです。

手袋でも十分なのですが、手袋だけだと

  • 傷口が手袋と当たって痛い、くっつく
  • 通気性が悪いので、傷が治りにくい
  • 汗で流れやすい
  • 手袋が破れる場合がある

など問題があります。

特に汗は、手を上げた瞬間に落ちたりして、料理についたら、手袋している意味がありません。

そのため、「傷の治りを早くするため」と、「菌が広がらないようにするため」に防水タイプの絆創膏をして、手袋をはめるのが一番です。

調理後すぐ食べる

でも、調理中に怪我をしてしまって、しかもそんな時に限って、絆創膏も手袋もない、そんな時だってありますよね。

このような時は、すぐ作って、すぐ食べましょう

黄色ブドウ球菌は常温で増殖し、毒素を作ります。

逆にいえば、もし黄色ブドウ球菌が料理に入ってしまったとしても、増える前に、毒素を作る前に食べてしまえば、いいのです。

雪印乳業の脱脂粉乳も停電さえ起こらなかったら、食中毒はなかったはずです。

そのため、調理中に怪我をしてしまった場合は、菌が増える前に食べてしまいましょう

冷凍、冷蔵する場合も数日以内に

黄色ブドウ球菌は常温で増殖し、毒素を作ります。

つまり、作った後にすぐに冷やせば、菌が増殖するのを抑制する事ができます。

でも、カレーやシチューのように鍋で加熱調理したものはすぐに温度が下がりません。

そんな時は、小分けしましょう

小分けする事で、冷やすための表面積が増え、鍋のままに比べて、早い時間で冷やす事ができ、冷蔵庫などに入れる事ができます。

早く冷えるということは、増殖しやすい温度帯の時間を減らす事ができるというわけです。

一番ダメなのは、熱いまま冷蔵庫に入れる事です。

冷蔵庫内の温度が上がり、他の食材にも影響が及んでしまいます。

そのため、まずは冷蔵庫の外で常温くらいまで冷ましてから、入れるようにしましょう。

最後に

黄色ブドウ球菌の毒素による食中毒はいつでも起こる可能性があります。

冬でも、例えば、弁当が外の寒い中なら黄色ブドウ球菌は増えにくいですが、暖房のかかった室内では増える事ができます。

まずは手洗いの徹底と、もし怪我をしているのであれば、手袋、絆創膏などでしっかり怪我を塞いだ上で調理をしましょう。

そして、最後に料理は冷めたよりも暖かいうちに食べたほうが美味しいです。あまり常温で置きっ放しにせず、早めに食べてしまいましょう。