グルテンフリーダイエットは一部の人だけが必要な食事療法。普通の人は痩せません

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グルテンフリーダイエットって聞いたことがありますか?

グルテンフリーダイエットはグルテンと呼ばれるタンパク質を取らないようにする食事療法のことです。

ジョコビッチを始め、アメリカの有名人の何人かがグルテンフリーの食事にすることで体調が良くなったということが一時期話題になりました。

※ダイエット:

本来、食事療法などの食生活全般を指す言葉です。日本で使われているように「痩せる」という意味ではありません。

さて、このグルテンフリーダイエット、ジョコビッチの本のようにある一定の方には効果がある食事療法です。

しかし、大多数の人はやっても意味ないどころが、体に必要な栄養素が足りなくなることが起こっています。

今回は、グルテンとグルテンフリーダイエットにまつわることについてご紹介します。

読む前にひとつ質問があります

あなたは、以下のようなお麩(ふ)を食べたことはありますか?

味噌汁などの汁物に使われることがありますよね。

食べたことがある方は、その時体調に変化はありましたか?

思い出してみて下さい。

もし体調に変化がなった方は、

この記事を読まなくても構いません。

書き手としては読んで欲しいところもありますが……

汁物に使われるお麩は別名”グルテンミート”と呼ばれるもので、小麦粉のタンパク質を集めたものです。

簡単にいうと、小麦粉に含まれるグルテンの塊です。

つまり!

グルテンの塊であるお麩を食べても体調に変化がないということは、あなたはグルテンによる体調不良は起こさないということです。

だって、パンとかに含まれるグルテンよりも多くのグルテンをお麩で取っているわけですからね。

グルテンとは?

ここで一度グルテンについてみてみましょう。

グルテンは小麦に含まれるタンパク質

グルテンとは、小麦の他、ライ麦など麦類に含まれるタンパク質の構造体のことをさします。

麦の種類によって、物質名が若干異なるため、小麦を例にお話しします。

小麦のグルテンはグルテニンとグリアジンと呼ばれる2種類のタンパク質が水とともに反応してできる網目状の大きな構造体のことです。

大きな構造体のため、小麦からなる食品の食感に影響してきます。

グルテンがあるから小麦製品は美味しい

上記で説明したグルテンを構成するタンパク質の2種類には以下のような特徴があります。

グルテニン:弾力に弱く、粘着力があり伸びやすい

グリアジン:弾力があり、伸びにくい

この2種類のタンパク質が結合したグルテンは両方のタンパク質の性質を受け継ぎます。

つまり「グルテンは粘着力、弾力がある」のです。

小麦粉はタンパク質の含量によって強力粉、中力粉、薄力粉などの種類に別れています。

そのため、食品を作る時、タンパク質含量を調節するために上記の小麦粉を配合率を変えることが、調理中にできるグルテン量を調節することに繋がるのです。

このグルテン量の調節によって

  • うどんのコシやモチモチ感、喉越し
  • パンのふっくら感やモチモチ感

など、食感という面から、美味しさに貢献しているのです。

グルテンフリーダイエットっという言葉によって、まるでグルテンは悪いものみたいな印象があるかもしれないですが、グルテンがあるからこそ、麺類やパン類などの小麦粉製品が美味しい食感を作り出すのです

小麦が身体にとって良くない3種類の人

食感に影響するグルテン、多くの食材に小麦粉ですが、全ての人にとっていいわけではありません。

それはアレルギー等の問題があるからです。

小麦を取ることが健康に良くないのは3タイプいます。

この3タイプについてご紹介します。

小麦アレルギー

一つ目は小麦のアレルギーです。

小麦は食物アレルギーの第3位に入る重要なアレルゲン(アレルギーの原因物質)です。

食物アレルギーはその食品に含まれるタンパク質に対して体が過剰の免疫反応を起こす症状です。

これは花粉症と同じ症状です。

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ただし花粉症と異なり、食物アレルギーは直接体内アレルゲンを入れてしまうため、アナフィラキシーショックなど重篤な症状を引き起こす危険性があります。

さて、小麦アレルギーは小麦のタンパク質が原因です。

しかし、その原因のタンパク質はその人ごとに異なります

そのため、グルテンにはアレルギー反応を起こさない場合もあるし、小麦以外のライ麦やオーツ麦などには影響がない人もいます。

つまり、小麦アレルギーであってもグルテンによる体の不調を起こさない人がおり、グルテンフリーをやっても効果がない場合があるのです。

小麦アレルギーの中でもグルテンがアレルゲンの場合にはグルテンフリーが必要なのです。

グルテン不耐症

2つ目の原因として、グルテンをうまく消化分解することができないことで起こるグルテン不耐症というものです。

タンパク質は胃で分解されてペプチドになり、さらに細く分解されてアミノ酸になります。

このアミノ酸が小腸で吸収されて、体の栄養となります。

しかし、グルテン不耐症の患者の場合、消化力が弱くペプチドのまま残ることがあります。このペプチドが消化管に影響与えたり、小腸にいる腸内細菌に分解されガスが出ることで膨満感の原因になります。

アレルギーや後述のセリアック病の2つよりも患者数が多いと言われていますが、他の2つに比べて症状が軽微なため、ほとんどの方は病院に行っていないというのが現状です。

ただし消化力が弱いだけなので、少量であれば、体調を崩さない場合もあります。

セリアック病

最後にセリアック病です。

聞いたことがない人も多いのではないでしょうか。

先ほどのグルテン不耐症ではグルテンの分解が遅いことが原因でした。

セリアック病の場合、グルテンの分解によってできたペプチドを体が異物として認識することで免疫反応を起こします。

この免疫反応によって小腸が内部から攻撃され、小腸の細胞が壊れていくという自己免疫疾患です。

小腸を徐々に傷つけるため、アレルギーよりも遅延性であり、慢性的な症状が出やすいのが特徴です。

慢性的な「腹痛、下痢、便秘、腸の不調、頭痛、めまい、なんとなく頭がすっきりしない、貧血、むくみ、関節の炎症、疲労感、倦怠感など」の症状を引き起こします。

遺伝的要因が原因として考えられています。

セリアック病の場合、グルテンを摂取することが、自分で自分を体内から傷つけることになります。

そのため、グルテンフリーが必要になります。

グルテンフリーダイエットをやらなくても良い理由

セリアック病の患者がものすごく少ない

欧米では約1%の人がセリアック病、数%がグルテン不耐症と言われています。

かなり古くから知られており、紀元前1世紀のギリシャ語の文献にも載っているくらいです。

これは小麦の食生活があったからです。

しかし、アジア系に関しては、ほとんど文献がありません。

一部信州大の報告で、内科疾患者の0.7%がセリアック病という報告くらいです。

つまり、今現在、国内での報告はすごく少ないのです。

小麦の食文化の影響はあるので、今後増える可能性はあるかもしれませんが、特に今までパンや麺を食べて異常がなければ、心配は少ないでしょう

グルテンフリーは食べられるものが極端に減る

グルテンは小麦などに含まれます。

小麦粉を使っている食品を思い浮かべてみましょう。

パンや麺、天ぷらやフライ、クッキーやケーキなどの洋菓子、饅頭などの和菓子、お好み焼きなどの粉物、カレーなどの加工食品などなど。

さらには調味料のたん白加水分解物には小麦を含んでいることもあります。

という感じに小麦はいろんな料理に使われています。

なので、小麦アレルギーの方も含めて大変気を使うことになるし、外食や惣菜、加工食品なんてかなり難しくなってしまいます。

グルテンフリーは普段の食事にかなり気を使う必要があり、ストレスを感じてしまう可能性は高いのです

そのため、現在小麦粉製品を食べても異常がなければ、無理してやらなくてもいいと思います。

小麦由来のミネラルが取る機会がなくなる

小麦粉といえば、炭水化物が豊富な食品という認識だと思います。

実際、ほとんどが炭水化物です。

特に生成された小麦粉・・・白い小麦粉ですね、は炭水化物以外の栄養素はそこまで多くありません。

しかし、白米と玄米の栄養素の差と同様に、

小麦粉も生成された小麦粉と全粒粉では栄養素に差があります

全粒粉ではビタミンB1、B2、B6などビタミン類が豊富に含まれています。

グルテンフリーの食生活では、このようなビタミン類を他の食品から摂る必要があります。

グルテンフリーの食生活は、栄養バランスに対する豊富な知識が必要になるわけです

グルテンフリーダイエットへの勘違い

グルテンフリーを勧めている本やサイト、記事を見る中で、

伝え方が悪かったり、

勘違いしている

と思えるものが残念ながらあります。

ここでは食品の研究開発の立場から、2つ説明します。

痩せるわけではない

日本では「ダイエット」=「痩せる」という認識があります。

はっきり言って、

グルテンフリーは痩せるわけではありません。

グルテンフリーダイエットはグルテンを摂取すると体調を崩す可能性がある人向けの食生活手段です。

グルテンがダメな人が行うことで、体調を整えることが出来ます。

逆にいえば、

グルテンに対して何も問題がない人がグルテンフリーダイエットをやってもほとんど効果はないのです

(普段、炭水化物を多く取りすぎている場合には痩せるかもしれませんが)

小麦を使用した製品でもグルテンを含まないものがある

科学的に見て、グルテンは水に溶けません

グルテンはグリアジンとグルテニンという2種類のタンパク質からできています。

しかし、グリアジン、グルテニン共に水に溶けません。

そのため、小麦などの麦類を使用していてもグルテンを含んでいないものはあります。

つまり、沈殿物が出ていない、澄んでいる液体調味液や酒類はグルテンを含んでいないと考えられます。

液体調味液は、醤油、穀物酢など

酒類は、ビール、焼酎、ウイスキーなど です。

これらは沈殿物などがある場合は含んでいる可能性はありますが、澄んでいる場合、理論的には含んでいない可能性は高いのです。

これらを製造しているメーカーでも、グルテンを含まないことを分かっていると思います。

しかし、大手メーカーではできる濾過技術が、各地方の零細メーカーまでができるとは限らないので、言っていないと思います。

グルテンフリーを保証すればいいという考えもありますが、

まだ日本にはグルテンフリーの規格が存在せず、

かつ全ての製造品を保証するとなると非常にコストがかかるため値上げしなければ対応できない

状況なのです。

最後に。慢性的症状があるなら…

多くの人の場合、グルテンを食べても問題がありません。

しかし、セリアック病、グルテン不耐症の場合、グルテンフリーの食生活が必要になります。

これらの病気だったとしても、多くの人は症状が小さいと言われています

そこで以下の慢性的症状があれば、一度2〜3週間グルテンフリーダイエットに取り組んでみてください。

慢性的症状:

便秘、お腹がはった感じ、疲れやすさ、頭痛、腹痛、鉄欠乏性貧血、骨粗しょう症、口内炎、脱毛、皮膚の萎縮、手足の感覚障害、慢性的な肝障害など

2~3週間行い症状が緩和し、その後再びグルテンを摂取して症状が再発したら、グルテンフリーダイエットと医療機関へご相談することをオススメします。

もし症状に変化がなければ、グルテンフリーダイエットを続ける必要はありません。