安定と言われる食品メーカー、本当にそうなの? ー求める人材と会社のミスマッチー

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昔から、食品メーカーは安定な会社としてみられることが多いです。

私も以前はそのように思っていました。

しかし!

食品メーカーで勤務し、転職活動も経験した中で、

絶対に将来的にも安定とは言えない、と強く感じることが多くなりました。

そしてそれは同時に

安定を求めて入社する人と会社とのミスマッチも起こる原因の1つとも感じます。

今回は、食品メーカーが必ずしも安定とは言えないこと

そして、希望する人と企業側にミスマッチがあるこの2点について解説します。

食品メーカーを取り巻く環境

身近だからこその問題点

食品メーカーは就職先として魅力的な業界なの?

食事は私たちが生きるのに必要な行為です。

そしてそれを支える食品メーカーはとても大切な役割があります。

生きるため、消費者の健康のため、さまざまな活動を行なっています。

それほど身近であり、身近だからこそ、購入してもらえるわけです。

しかし、この身近なことが大きな不安定要素になり得ると考えています。

ここ10年をみても以下の変化がありました。

  • 国内の人口が減っていく →  消費は確実に減る
  • 食事の形態の変化 →  自炊から中食へ
  • 好みが大きく別れる →  今まで通りの食と新しい食の価値観の多様性
  • 健康への意識 →  病気にならないことからQOL向上へ

つまり、安定業界と言われる食品メーカーですが、

実際には常に変化を求められている点においては他の業界と変わらないということです。

価格の高騰

近年、食品の値段が高騰しています。

今まで、食品メーカーは

  • 生産効率を高め
  • 海外から安い原料を輸入する など

消費者の目には見えない努力によって、食品の価格を下げ、簡単に買えるようにしてきました。

発売当時と比べて安くなった例:

  • チキンラーメン(1958);約500円(現在の5倍)
  • キユーピーマヨネーズ(1925);約1700円(現在の4.5倍)

例2つはわかりやすいものをあげましたが、他の食品でも同じように価格を下げてきた歴史があります。

値段が下がることで、自宅で作るよりも圧倒的に安く、そして安定したものを私たち消費者は手に取ることができるようになりました。

しかし、現在はそんな企業努力だけではどうにもならない自体がおこりました。

  • 原料価格の高騰
  • 光熱費の上昇
  • 人件費の高騰
  • 輸送費の高騰

これらによって、値上げをせざる負えない状況に至っています。

安い状態が当たり前になった現代では、

少しでも値段が上がると消費者の不満に繋がるのです。

そのため、価格面から見ても消費者に買ってもらうためには常に変革が求められるのです。

食事に求められる価値観の変化

私たち消費者側が食品に求めていることが大きく変わっています。

  • 物が少ない時代  →  ものがたくさんある時代
  • 日持ちする食品が少ない  →  冷凍、レトルトなど日持ちするものが多い
  • コンビニなどですぐ買えるので常に持つ必要がない
  • たくさん食べれる  →  より健康に
  • 家族で食事  →  1人での食事
  • いつもの食事  →  人に自慢できる食事(インスタ映え)   など…

今まで通りの食品を提供することも食品メーカーにとって重要な役割です。

しかし同時に、消費者のニーズをキャッチし、変わっていくことも求めらます

食品メーカーの取り巻く環境は昔と比較して大きく変化しており、

今まで通りでは太刀打ちできない状況になっているのです。

企業が求める人材、就職したい人

企業が求める人材

※あくまで私が食品メーカーで働く中で感じることです

課題を見つけ、周りを巻き込んで解決できる人

必ずしも上司が会社の課題を把握しているわけではないですし、全ての正解を知っているわけではありません。

すべてわかっていたら、新しい人材を入れる必要性はありません。

そのため、

  • 言われ仕事ではなく、自分で課題を見つけれること
  • 独りよがりではなく周りを巻き込んで、
  • 解決のために尽力できる人

が求められるます

このような人は、今の変革が求められる時代にとってどこの企業も欲しがっている人です。

就職したい人

その反面、就職したい人にはどんな人がいるでしょうか

  • 食べることが好きな人
  • 身近なものに関わりたい人
  • 新しい食品を作りたい人
  • 安心安全な食べ物を提供したい人 などなど
  • 安定を求めている人

もちろんこれ以外の人もいますが、身近の良いものに自分も関わっていきたいという気持ちは大きいと思います。

しかし、蒸気を見ると、先程の企業が人材に求めることと、就職したい人が求めていることに乖離が存在しています。

つまり就職したい人は考え方を変える必要があります。

もし安定した職を求めるのであれば、安定させるために自分がその企業でどんなことができるか考えましょう

でなければ、ミスマッチが発生してしまいます。

人材として求めているわりに企業が変革しにくい環境になっている場合がある

食品メーカーの離職率は企業や業種によって異なりますが、他の業界と変わらず、新卒3年で3割ぐらいです。

とくに営業や工場製造職が高い印象ですが、大手の研究職でも定着率が低いことが問題になっています。

求めている人材はどの企業でも、変革に対して対応し、課題解決できる人、です。

しかし、そんな求める人材に対して、

会社の中の人事制度や企業風土がそう言った人材にとって心地よいものではない

ことがあります。

つまり、昔ながらの人事制度や人間関係が色濃く残っているのす。

より簡単に言うと、

体育会系、年功序列で、若手が意見しづらい環境、責任ある仕事が渡させれない環境、のことがあります。

もちろん就活生も

安定志向であっても採用面接では求める人材に合わせて作ってくる人もいるし、

チャレンジ精神のある人も、働く中でチャレンジよりも安定をもとめるように変わることもあります。

現実問題としてチャレンジしない、チャレンジしなくなる人はどんな企業でも一定数います。

つまり

求める人材通りの人が少なく、かつ定着させることの難しさ、

そして採用してもその人材を活かすことができない企業側の環境の問題、

それが離職に繋がっているのです。

私が考えるミスマッチの大きな問題点

最後に、私個人として、採用に関わるミスマッチを生む原因、そして問題点について紹介します。

企業側の環境や人事制度

食品で事故を起こすことは、大きく人の命に関わる問題です。

結果、多くの企業は安全に対する対策や仕組みができています。

それが企業全体の環境を作っているということは、裏を返せば、非常にイノベーションが起こりにくい環境なのです。

つまり失敗できないからこそ、変化に臆病になるのです。

ではイノベーションを起こしやすくするにはどうしたらいいのか?

それは

  • 製品として世に出す前にどれだけ挑戦し、
  • 小さな失敗やミスをできるか、
  • そしてそのミスを許容し、
  • 次に活かせる組織環境

が必要なのです。

外向けには安定を、中向けには挑戦する二つの背反する思考をいかにつくるかなのです。

そして人事制度です。

国内の食品企業には古い制度も残っていますし、実際年功制のところが多く、実力主義を採用しているところは少ないです。

必ずしも年功制が悪いわけではありません。それは製造現場や事務など能力主義による評価がやや難しいところもあるわけです。

でも求める人材である「自ら課題を見つけ、周りを巻き込んで改善できる人材」は能力主義では評価しずらい面があります。

現場の運用の話ではなく、少しずつでも現場を良くしたり、変革したりできる人というのは長期的に見たらプラスでも、短期的にはその活動によって時間を使い収支としてはマイナスになりがちです。

だって投資のように回収するまでに時間がかかるからです。

これは最低限の業務にプラスさせる業務になります。

ということはこの部分については完全に能力主義を取ることが可能です。そしてこのプラスαの部分をできる人ほど、企業は大切にするべきです。

その一つが給与制度です。上記のような評価基準を取り入れているところもありますが、そのウエイトは大きくなく、かつ全業界を含めて低い給与水準である食品メーカーでは、求められる人材が不満を持ってもおかしくない状況があると考えます。

就活スタイルとゼネラリスト育成志向

私自身経験しましたが、就活スタイルと企業のいろんな部署を経験させる人事制度、これ自体がミスマッチの大きな原因だと思います。

就活では、

性格診断、過去の棚卸し、自分がやりたいことなど

自分が何ができ、どんな志向で、これからどうなりたいかを考えます。

企業に入って何をやりたいか、より明確になる作業だと思います。

働く前に、これをすることはとても就活生本人にとって有意義なものです。

では企業側はどうでしょうか。

いろんな部署を経験させる人事制度を持っている企業は食品メーカーにかかわらず多いはずです。

その人の適性や会社の中での出世等も含めて、能力を見極めたり、伸ばすのです。

この2つ見比べてみてどう感じますか?

就活生は自分をしっかり見つめてそれを面接で答える反面、

企業はその人ができることはあっても、仕事の中で能力を見つければいい、と考えているのです。

つまり、やりたい仕事、目指すことが明確になればなるほど、企業の人事制度と合わなくなるのです。

これは企業がいろんな部署を経験し、多様な目線を観れるゼネラリストを育成したいからですが、これはプロフェッショナルになりたい人とっては全く嬉しくない制度です。

このようなミスマッチは就職後、かなり早い段階で気付き、離職につながる原因の一つだと思います。

企業側の人事制度のこともありますが、就活生が事前にこの点を確認し、ミスマッチが起こりにくくすることは必要です。

最後に

食品メーカーにおけるミスマッチについて紹介しました。

私自身、経験を通して成長し、転職することはいいことだと思いますが、早期離職は学び、自分の成長という意味では時間とコストが合わないと考えています。

職場環境が悪く、健康を害する場合は別ですが。

企業側の問題も多いですが、就活生がいかにその点を確認することができ、志向にあった企業を目指せるかも大切です。

これから就活、転職させる際には、ミスマッチが起こらないよう、自分が大切にしたい点をいかに企業から情報を引き出せるか考え、取り組んでほしいです。