2019年の夏以降スーパーに並ぶ!? 1からわかるゲノム編集食品

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8月からゲノム編集食品が売られる可能性が出てきました。

ニュース記事をみると「表示をするのか、しないのか」

「国に登録さえすれば、安全性の試験をやる必要がない」など、

かなり不明確な内容が多く不安に感じます。

  • 「ゲノム編集という技術はどんな技術なのか?」
  • 「遺伝子組換えとはどう違うのか?」
  • 「なぜ食品で表示をする、しないの話が同時に出てくるのか?」

今回はこれらに解説します。

解説が長くなる+技術的な話が多いので、短時間に知りたい方はこちらの動画2つをご覧ください。

ゲノム編集技術は遺伝子操作技術の1つ

スーパーに並んでいる食品(農業・畜産・水産)の中には、既に遺伝子操作の技術で生まれた食品が多くあります。

これは問題として大きく取り上げられる「遺伝子組換え食品」以外の食品にも遺伝子操作が使われているということです。

まずは、遺伝子操作技術の全体像を確認し、それからゲノム編集技術についてみていきましょう。

遺伝子操作技術の全体像

不安に感じる人も多い遺伝子組換えは遺伝子操作技術の一つです。

そして遺伝子組換え技術のひとつの方法として、「ゲノム編集技術」があります。

組換え以外の遺伝子操作技術

遺伝子操作には、突然変異を誘発する方法があります。

生き物は突然変異を起こすことで、

  • 新たな環境に適応
  • 新たな形態(身体の形や仕組み)を獲得
  • 進化

します。

つまり、

生き物にとって突然変異は環境が変化しても次世代を残すための方法

と言えます。

しかし!

自然に突然変異が起きるまでには、ものすごく長い時間がかかります。

これは突然変異がいい面もありますが、失敗すると癌のような病気に繋がルためです。そのため、生き物中では簡単には突然変異を起こさないため、新しい作物を作るためには数年から数十年単位での時間が必要でした。

そこで人為的に突然変異を誘発する方法が用いられるようになりました

「化学薬品を使う方法」と「放射線を使う方法」の2種類があります。

化学薬品をつかった方法

作物の種子をある薬品に付けることで、突然変異を誘発する方法。

種なしスイカなどに使われています。

放射線照射による方法

放射線(X線、γ線、電子線など)を生物に照射し、突然変異を起こす方法。

稲(米)で収穫量を増加させるという大きな効果を出すなど、様々な食品に利用されています。

また健康にいいと評判の発酵食品に必要な麹、酵母、乳酸菌などの微生物にもこの技術が使われており、お酒やヨーグルトなどの味や風味、健康機能など大きく貢献しています。

ここまでで気付いた人もいるのではないでしょうか?

放射線照射による突然変異の方法は、原発事故での放射線の被害と原理としては同じです。

原理は同じですが、できた作物の安全性や継代しても以上を起こさないかしっかり調査が終わったものだけが実際の食品に利用されています。

この突然変異を誘発する方法は

どこに遺伝子の変異が起こるかわからない

という欠点があり、実際育てて選抜や安全性などの評価が必要で作物なら数年単位、微生物でも数ヶ月単位以上の時間がかかってしまいます。

遺伝子組換え技術は外部から遺伝子を導入する方法

遺伝子組換えは

その生物が本来持っていない遺伝子を外部から導入することで目的の形質や表現系をもつ生物を作成する方法」です。

有名な例としては

作物に他の生物由来の遺伝子を導入することで、除草剤や殺虫剤に耐性を持たせる、作物の生産を楽にするのです。

ただし、従来の遺伝子組換え技術は入れたい遺伝子がどこに入るかわからないという欠点があります。

結果、思うように遺伝子が発現しなかったり、本来発現していた遺伝子の発現を抑制させてしまったりしてしまうのです。

従来の遺伝子組換えは安全性の試験だけでなく、導入した遺伝子が問題なく発現するものを選抜する必要があるのです。

ゲノム編集技術

ゲノム編集技術は従来の遺伝子組換え技術の欠点である「導入した遺伝子がどこに入るからわからない」というデメリットを解決した方法です。

つまり、「狙った場所に遺伝子を導入することができる」のです。

具体的には、CRISPR/Cas9と呼ばれるDNA切断酵素(ゲノムの一部を切断するはさみのような役割)は、ゲノム上の特定の遺伝子配列を認識、その位置だけを切断します。

この特性を利用することで、外部遺伝子を特定の場所に導入することができるのです。

その結果、ゲノムの他の遺伝子発現を抑制したりなどの予想外のことが起こらなくなります。

つまりゲノム編集は

従来の遺伝子操作技術よりも安全な方法、なのです。

また外部から遺伝子を導入するだけでなく、狙った場所のDNAに変異を入れることもできます

この変異は突然変異として起こる変異と全く変わらないどころか、特定の部位以外に変異を起こさない分、安全と言えます。

ゲノム編集技術を食品に使用した場合、

  • 外部から遺伝子を導入した場合:ゲノム編集の表示あり
  • 元のDNAを変異させた場合:ゲノム編集の表示なし

が現在決められている内容です。

ゲノム編集食品は安全なのか?

みなさん、ここが気になるところでしょう。

一つずつ解説していきます。

遺伝子組み換え食品は危険なのか?

遺伝子組み換え作物の大規模栽培は1996年から始まりました。

つまり、遺伝子組み換え食品は20年以上の歴史があります。

しかし、

科学的に見て遺伝子組み換え食品が原因による健康被害は確認されていません

ここでは環境や農業的な問題は無視します。あくまでも健康への影響です。

「他のサイトでは、マウスの実験で危険性が証明された、と書いてあったじゃないか?」

そう思う方ものいらっしゃると思います。

上記のようなサイトで紹介されている論文の多くは近年、既に撤回されたり、否定されています。

また20年以上の歴史の中で、食品として人が食べる、飼料として畜産動物が食べていますが、長期的な影響として確定的なリスクはまだ見つかっていません。

とはいえ、研究者が「安全」と連呼しても、不安感は取り除けていないのが現状でしょう。

結論としては、

遺伝子組み換え食品は安全かもしれないが、現状多くの人の安心感には繋がっていない

だから、そこは私たち一般消費者が安心できる方を選べばいいのです。

ゲノム編集食品は安全なのか?

遺伝子組み換え食品自体が危険と言えません。

よって遺伝子組み換え技術のひとつであるゲノム編集技術を用いた食品も危険というのは難しいでしょう。

ただし技術的な面で見ると、従来の遺伝子組み換え技術よりもエラーが少ないため、ゲノム編集食品は従来の方法よりも安全性が高い可能性があるのです。

だからこそ、政府としても食品としてすぐに認可できるように進めているのでしょう。

しかし、新しい技術でまだ一般の方の理解も進んでいない現状を見ると、不安に思うのも当たり前でしょう。

そもそも今売られている生鮮食品は安全なのか?

遺伝子組み換え食品、ゲノム編集食品を不安に思う前提としてあるのは、

「普通に売られている食品が安全」という考えがあると感じます。

しかし、本当にそうでしょうか?

長年食べている人がいるから大丈夫だろうと思っているだけではないでしょうか?

例えば、ジャガイモ。

芽にはソラニン、チャコニンと呼ばれる毒があり、残念ながら日本でも毎年のようにジャガイモが原因で、食中毒が発生しています。

過去から食経験があるので、普通に出回っていますが、

もしジャガイモが最近できた品種でこの毒があるとしたら、恐らく食品として認められない可能性があるでしょう

このように、普段身の回りにあるものでも

  • 毒性を持っている食品
  • 食べ過ぎると中毒を起こす食品
  • 調理過程で発ガン性物質の発生  など

健康被害をもたらすことは多くあるのです。

つまり、

遺伝子組み換え食品、ゲノム編集だけでなく、今まで食経験が長い食品について正しい知識を身につけ、自分たちで選択することが重要

なのです。

最後に

知らないもの、よくわからないものは不安に感じるものです。

不安に感じるのであれば、わざわざ食べる必要はありません。

遺伝子組み換え食品、ゲノム編集食品は生産、栄養や健康機能にメリットがあるかもしれません。

しかし、その点を考慮して、私たちは食品を買うでしょうか?

残念ながら、ほとんどの人は考えていないでしょう。

でもそういった選択肢は私はあってもいいと思います。

だからこそ、私たち一般消費者が、「自分が安心できる食品を選べるようにすること」が大事なのです。