食品メーカー研究開発職と管理栄養士の仕事の違い

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今回は、食品メーカー研究職と栄養士の話です。

高校生の中には、すでに食品メーカーに入りたいという気持ちがあり、進路として栄養士や管理栄養士を目指している学生も多いでしょう。

食品メーカーには栄養士、管理栄養士の有資格者は多く働いています。

学生の頃学んだことをそのまま活用できると期待して入る方も多いのだと思います。

しかし、メーカーによっては必ずしも学んだことを活かせるわけではありません。

というか栄養士の資格を持っていても、栄養士を活かせない場面の方が多いのです。

今回はメーカーの研究開発職に焦点を当て、栄養士との違いについて解説します

食品メーカー研究開発職の仕事

研究開発職には大きく分けて、3種類のあります。

  • 長期的なテーマに取り組む基礎研究
  • 生産方法も含め、基礎研究から製品に結びつける応用研究
  • 最後にコンセプトをもとに実際の製品としてつくる開発職

です。

基礎研究職

乳業メーカーが乳酸菌の健康機能を発表するようなことがありますよね。

基礎研究はすぐには成果に繋がらないけど、長期的に見ると企業の信頼性を上げるための研究をしています。

中には大学との共同研究もしています。

新規素材の研究や健康機能など、大学や研究機関の研究者に似た仕事をしています。

違う点は、企業の研究職ということでより出口を意識している点です。

応用研究職(技術開発職)

基礎研究で明らかになったことでも、それが工業的に生産できなければ、企業としては利益になりません。

そこで応用研究や生産技術研究は、工業生産するための手法を研究しています

他にも生産の効率化や袋の通気性など行います。

開発職

製品を開発するのが開発職の仕事です。

マーケティング部などと協力して、コンセプト作りから味作りや商品の保存性を作る仕事です。

実際の製品を作る部門のため、自分が手がけた商品がスーパーやコンビニにならぶこともあり、非常にやりがいがあり、かつ人気の高い職種です。

管理栄養士・栄養士の仕事

管理栄養士、栄養士共に国家資格であり、名称独占資格です。

それぞれのちがいも含めて確認しましょう。

栄養士

栄養士とは、栄養の指導に従事する人のことを指します。

この資格は厚生労働省がしていした栄養士養成施設、管理栄養士養成施設において2年以上必要な知識や技能を就職した人に与えられる資格です。

後述する管理栄養士と異なり、資格の取得に試験がありません。

また、夜間学校や通信が認可されていないことから、初めから学校に行くか、一度仕事をやめてから学校に行くのが一般的です。

さて、栄養指導をするという資格なため、資格を活かせる学校給食や病院、などで働きます。

管理栄養士

管理栄養士も栄養士同様、養成施設を出る必要があります。

そして大きな違いは、国家試験に合格する必要がある、ということです。

ちなみに国家試験に残念ながら落ちてしまったとしても、学校を卒業するときに栄養士の資格を取得できます。

栄養士との違いを簡単に説明すると、

栄養士:健康な人を対象に栄養指導や給食管理を行う

管理栄養士:傷病者にたいしても、栄養指導や給食管理を行うことができる

つまり、管理栄養士はより専門性が必要になるということです。

また、大きな施設では、管理栄養士を必ず1人は置かなくてはいけないことが法律上決まっているため、栄養士に比べて管理栄養士の方が働く場面が広いのです。

名称独占資格とは?

栄養士も管理栄養士も名称独占資格です。

栄養士、管理栄養士と名乗ることができるのは資格保有者だけということです。

しかしながら、業務独占資格ではないため、無資格者でも栄養士や管理栄養士としてのしごとに従事することができます。

食品メーカー研究職と管理栄養士との大きな違い

ターゲットの違い

メーカーが求められるものは「不特定多数の人のため、製品やそれを支える技術」です。

メーカーは製品を発売して利益を得ます。

そのため、売れる製品やそのための技術である必要があります。

また、ターゲットを設定して製品を作ってはいますが、ターゲットが買ってくれるとは限りません。

それこそ、10人中1人が買ってくれれば、いいという世界です。

対して栄養士に求められるのは

「対象者一人ひとりにあわせた、食事や栄養指導」

目の前の1人や、みじかな集団を対象にできるのが栄養士の仕事になります。

必要な知識の違い

・メーカー

最新の情報や市場情報

新しいものを生み出すこと

見知らぬターゲット

・栄養士

対象の情報、学んだ知識

今あるものの中から選択すること

対象者

栄養士は目の前の対象者に対して、現状の知識や現在あるものを用いて健康になるために食事を最大化します。

対して、食品メーカーの開発職は既存のものの見直しもしますが、新しい価値を食品で実現することが求められるのです。

つまり、食を通して健康に貢献するところは同じも、片方は個というミクロを見るのに対して、片方は多というマクロの視点と求められているものが全くの逆なんです。

栄養士を取得した方も食品メーカーの研究職にも多くいます。

それは今までの栄養の知識は活用できますが、最終的に出す必要があるものが時には既存を壊していく必要もあり、必ず栄養士、管理栄養士の資格を活かせる仕事ではありません。

栄養士の知識が役に立つ食品メーカーもある

今まで見てきたように栄養士の資格は、食品メーカーの研究開発職では直接活かすことはできません。

しかし、活かすことができる企業もあります。

それは「弁当を製造するメーカー」です。

幕の内弁当をはじめとして、弁当はさまざまな食品を掛け合わせてひとつの「弁当」を完成させます。

そのため、栄養士監修の「〇〇弁当」のように栄養士を前面に打ち出して、活用することができるのです。

最後に

今回は、食品メーカーの研究開発職と栄養士の違いを見てきました。

私の個人的な見解としては、

栄養系の大学を出られている栄養士の方は科学的な視点が少ないため(大学院生が少ないことも影響)、仕事に応用するのにそれらの知識が必要になる

それ以外の理系学部、院卒の方は科学的な視点はあるが、栄養と健康に対する知識が必要になる

と考えています。

つまり、栄養士の有無は関係なく、食品メーカーの研究開発職になっても学ぶことは求められることが多いということです。

必ずしも大学等で学んだことを活かせないかもしれませんが、やりたいことには活かして欲しいと思います。