【ゲノム編集食品】特別な表示がいらない!この決定理由をわかりやすく解説

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ゲノム編集食品、食品表示義務なし 流通制度固まる

ゲノム編集食品の表示のルールが決定しました。

スケジュールとしては、2019年10月から届け出制度が開始します。

届け出で承認されたのち、市場に流通するため、早ければ今年中にはスーパーの店頭に並ぶかもしれません。

しかし、この話に関して、ミスリードを誘うタイトルのニュース多すぎるんです!

というか、上記の日本経済新聞のタイトルですら、全く表示がいらないように感じます。

でも実際には表示する場合と表示しない場合の2種類あるんです!

何でこんな紛らわしいことになっているかというと

ゲノム編集という手法が全面的に前に出てしまっているからなんです。

今回は、この点について詳しく解説していきます。

以下動画でも紹介しています。時間がない方はこちらをどうぞ。

ゲノム編集食品の不安を煽る書き方

ゲノム編集の技術的な話はこちらにまとめているので、参照してください

2019年の夏以降スーパーに並ぶ!? 1からわかるゲノム編集食品

ゲノム編集は遺伝子操作技術の手法の一つ

現在、作物の品種改良には大きく3種類あります。

  1. 遺伝子操作をせず、自然に起こる現象を利用する方法
  2. 人為的に遺伝子変異を誘発する方法
  3. 人為的に遺伝子を切り貼りして(遺伝子組み換え)を行う方法

1は受粉を利用して求める品種を作る方法と、自然に起こった突然変異を次に活かすことで新しい品種を作り出します。

2は放射線や化学物質を作物にあてることで、突然変異を誘発し、求める機能を持つ品種を選定する方法です。人為的に誘発していますが、1にもあるように突然変異は自然にも起こる現象であり、この2つを区別するのは難しいです。

そのため、1、2の作物は特に表示は入りません。

3は外部から遺伝子を挿入する方法です。

例えば、寒さに強い植物の遺伝子を温帯の植物に挿入することで、寒さに強い温帯の植物を作り出すことで、冷害に耐えることができる作物を作り出します。

このような作物は本来その作物に存在しない遺伝子が入っているため、表示が必要となっています

まとめると

  • 元からある遺伝子の中で変化が起きたもの = 表示なし
  • もともとない遺伝子が新たに入ったもの = 表示が必要

ということです。

ゲノム編集技術は?

ゲノム編集技術は、

ゲノム(生物が持つ遺伝子全ての総称)中の狙った場所にアプローチすることができる技術

です。

あくまでもアプローチする技術なので、その後何をするかが食品的には大切な部分です。

つまり

  • 「アプローチした部分に変異を入れる」突然変異
  • 「アプローチした部分に外から遺伝子を入れる」遺伝子組み換え

両方を行うことができるのです。

従来の技術と大きく違う点は、突然変異にしろ、遺伝子組み換えにしろ、ゲノムの狙った位置に作用できる、点です

従来の技術ではどこに作用するかわからなかったため、予想外の作用を起こすことがありました。

例えば、生育が悪くなったり、以前よりも虫に弱くなったり、です。

ゲノム編集ではゲノムの狙った位置にアプローチすることで、上記のような予想外の変化が起こらないようになりました。

突然変異と遺伝子組み換えの技術まとめ

以上のことを踏まえると、

作物に特別な表示の必要ない突然変異の手法

  • 自然的突然変異
  • 放射線照射による人為的突然変異
  • 化学物質処理による人為的突然変異
  • ゲノム編集による人為的突然変異

次に、作物に「遺伝子組み換え」の表示が必要な手法

  • 従来の技術による遺伝子組み換え
  • ゲノム編集による遺伝子組み換え

ニュースを見ると、不安を煽っている

一概にはメディアが完全に悪いとは言えませんが、上記のように

ゲノム編集技術は従来の突然変異を起こす方法、遺伝子組み換え技術、両方を行うことができる技術です。

しかし、残念なことにそこを一緒にしてしまっている、ものが多いと感じます。

一緒にした結果、

いまだに不安に思っている遺伝子組み換え技術の中の一つとして見られており、

だから

  • 危険性がある
  • 安全性は確認していないのか
  • 表示なしはおかしい

という声が大きくなっているのではないでしょうか。

従来法とゲノム編集技術の違い(例)

例えば、次の文を考えてみましょう。

「あなたは、好きですか?」

変異を入れる方法

「突然変異を誘発する方法」は一文字を別の文字にかえること

具体的には放射線や化学物質をつかって、DNAに損傷を与え、その1箇所(1文字)を変える方法。

例文をもとに考えると、次のようになる。

  • 「あなた、好きですか?」
  • なたは、好きですか?」
  • 「あなたは、好きです?」
  • 「あなたは、すきですか

これらの方法の欠点は、変異がランダムに入ってしまうことです。

このような欠点があるため、とりあえずたくさんのものを作って、その中から、目的の変異が入ったものを探し出します

この手法はお米の品種改良でよく行われていますが、目的のものができるまで数年単位の時間がかかります。

遺伝子組み換え

「外部から遺伝子を導入する遺伝子組み換え」は他の生き物が持っている遺伝子を入れる方法です。

例えば、殺虫剤に耐性をもつ遺伝子を作物に入れたり、害虫が嫌がる成分を作る遺伝子を作物に入れたりです。

例文に「赤い部屋が」を入れるとしましょう。

「あな赤い部屋がなは、好きですか?」

赤い部屋があなたは好きですか?」

「あなたは、好き赤い部屋がですか?」

「あなたは、好きですか?赤い部屋が

変異の時と同じように、やっぱりランダムに入ってしまいます。

結果、上記の2、3文目のようにもとの言葉もおかしくなることもあります。

これは残したい遺伝子が壊れてしまった証拠です

ゲノム編集技術は狙って変異を入れれる

この技術ができたおかげで新しい性質の作物や食品を作りたい側からすると、

従来の方法で行っていた育ててたくさんの中から狙ったものを選抜する必要がなくなり、狙ったものだけを効率よく作ることができるようになったわけです。

また実際に変異や組み換えた食品を食べる方にとっても

狙った場所以外に変異が入らないため、従来の方法では選抜の段階で見逃していたかもしれない変化が起こらないため、より安全性が高いものを食べることができるのです。

ゲノム編集技術の欠点

上記のように狙った場所だけに作用できるのがゲノム編集技術の利点です。

しかし、まだ100%ではありません。

つまり、オフターゲットと呼ばれるランダムな作用が低い確率で起こることがあります

とはいえ、その確率は従来方に比べるとかなり低いです。

これから申請されると食品は変異?組み換え?

ほとんどが変異を入れたものになります。

なぜ変異を入れたゲノム編集食品は表示が入らないのか?

遺伝子組み換えは調べれば、わかる

まず従来の遺伝子組み換え法でもゲノム編集技術でも、外部から遺伝子を挿入した場合、調べれば、簡単に分かります。

アメリカで既に出ている遺伝子組み換え作物も判別するためのキットがあります。

(一般の人が買うには高い値段ですが・・・)

そのため、遺伝子組み換えの作物が別の畑から来ても、お金さえ出せば判別できるわけです

変異はわかるが、方法がわからない

対して変異の場合はどうでしょうか?

1文字しか変わっていないといっても、頑張って調べれば、変異が入っていることはおおよそ予測することができます。

しかし、問題はこの変異がどのような方法で入ったのか判別することが出来ないんです。

つまり変異を見つけても、それが

  • 放射線などによる突然変異の誘発
  • ゲノム編集技術
  • 自然に起こった突然変異

これらを判別することが出来ません。

現状、放射線照射などの従来方法や自然に起こった突然変異でできた食品は特別表示をする必要がありません。

方法を判別できないため、ゲノム編集技術を使ったものも、同じように特別な表示なしにするしかないのです

変異のゲノム編集食品の申請のみ

ゲノム編集食品は国に申請すれば、流通させることは可能です。

でもよく考えてみてください。

従来と判別できないなら申請しないでゲノム編集食品が流通させても問題ないだろう

と考える悪徳な業者がでないとは言えません。

もし「変異」のみの場合でも、ゲノム編集食品なら表示が必要なことになっていたら、絶対に悪徳業者は申請しないでしょう。

私たち消費者がすべきこと

それは、ちゃんと情報公開している会社を見極めること。

ゲノム編集食品に関しては、かなり不安に思っている人も多いため、今の状況ではゲノム編集食品がすごく売れるような状況には絶対なりません。

そのため、ゲノム編集食品の準備を進めている企業はゲノム編集食品だけじゃなく、従来の食品も並行して売るのは間違ありません。

この時、

  • 「この食品はゲノム編集しました」
  • 「こちらはしていません」

ってしかり情報公開する企業は、消費者のことを考えている企業です。

特別な表示がいらないってことは企業がゲノム編集食品であるかどうか、情報公開するのももちろん任意です。

ゲノム編集食品という言葉を出すことは売れなくなる危険性を現状持っています。

そのため、わざわざ情報を開示しない企業も当然のことながら出てきます。

実際、今の放射線照射による突然変異誘発でできた品種は、科学論文として公開されていますが、誰でもわかる情報にはなっていません。

このような状況でも、しっかりゲノム編集食品であることの情報を出してくれる企業は私たち消費者のことをちゃんと考えている証拠です。

最後に

ゲノム編集食品は制度としては決まり、これから市場に出回るでしょう。

しかし、私自身一般の方々の理解が進んでいるとは思っていません。

メディアも不安を煽るものの、従来の方法と比較して安全性があることなんてほとんど言いません。

これはスポンサーの問題もあるので、一概にはダメとは言えませんが…

今後もこのようにゲノム編集食品に関しての動向はチェックし、本ブログでも情報をまとめていきたいと思っています。

理解を助け、選択するお手伝いをしていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。