乳酸菌飲料「ヤクルト」「ピルクル」を徹底比較と製造する企業研究

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食品企業の研究開発をしている管理人のつむぎです。

発酵食品として甘酒がとくに好きですが、普段から手軽飲めると言えば、やはり乳酸菌飲料!

乳酸菌飲料として昔から愛され、小さなサイズで子どもでも飲みやすいものと言えば、

ヤクルトとピルクルではないでしょうか。

乳酸菌飲料は腸内の整える効果だけではなく、インフルエンザや花粉症予防にも効果があるかも知れないと、とってもブームになっている食品ですね。

今回は、その中でも「ヤクルト」と「ピルクル」の2つの違いについて、解説します。

ヤクルトとピルクルの違い

表示の違い

ヤクルトシリーズ

ヤクルトのシリーズは2019年10月現在次の通り

  • Newヤクルト
  • Newヤクルトカロリーハーフ
  • ヤクルト400
  • ヤクルト400LT
  • ヤクルト1000
  • ヤクルトファイブ
  • 毎日飲むヤクルト365
  • シンバイオティクス ヤクルト W
  • カップ de ヤクルト

このうちヤクルト400、400LTは宅配専用商品。

ヤクルト1000は新発売で、現在は関東限定となっています。

ヤクルトはカロリー、乳酸菌の量、その他成分の違いでシリーズが構成されています。

表示としては一番オーソドックスなNewヤクルトを確認します。

原材料:ぶどう糖果糖液糖、砂糖、脱脂粉乳/香料、(一部に乳成分を含む)

容量:65mL

栄養成分:熱量50kcal、タンパク質0.8g、脂質0.1g、炭水化物11.5g、食塩相当量0~0.1g

ピルクルシリーズ

ピルクルのシリーズは2019年10月現在次の通り

  • ピルクル(65mLx5、65mLx10、500mL、1000mL)
  • ピルクルLight(65×10、1000mL)
  • ピルクル鉄分(65mLx10)
  • ピルクルマルチビタミン(65mLx10)

ピルクルシリーズはカロリーの違いのほか、鉄分やマルチビタミン配合ということで、基本的な設計は同じで、配合するものと容量ラインナップを揃える構成になっています。

ピルクルの表示は次の通りです。

原材料:砂糖、ぶどう糖果糖液糖、脱脂粉乳/香料、(一部に乳成分を含む)

容量:65mL

栄養成分:熱量44kcal、タンパク質0.8g、脂質0.1g、炭水化物9.8g、食塩相当量0.03g

表示から見るヤクルトとピルクルの違い

上記で紹介したオーソドックスなヤクルトとピルクルは両方とも特定保健用食品です。

まず異なる点は乳酸菌の違いです。

  • ヤクルト:L.カゼイ YIT 9029
  • ピルクル:L.カゼイ NY1301

L. カゼイというところまでは全く一緒ですが、最後の株がそれぞれ独自に取ったものを使用しています。

ヤクルトはブドウ糖果糖液糖が、ピルクルは砂糖が一番多く配合されており、

ヤクルトは炭水化物11.5g、ピルクルが9.8gとヤクルトの方が甘く、かつカロリーが高いことがわかります。

ヤクルトとピルクルの違いは商品コンセプトがちがう

ヤクルトのコンセプト

ヤクルトは1935年に福岡から発売が開始された80年以上もの歴史をもつ商品です。

そのコンセプトは

  1. 病気にかかってから治療するのではなく、病気にかからないような体をつくる“予防医学”
  2. 栄養素を吸収する腸の環境を整える“健腸長寿”
  3. 1人でも多くの人に飲んでもらうため“誰もが手に入れられる価格”

です。

この3つを創始者で、かつヤクルトの乳酸菌シロタ株の名前の由来にもなっている代田稔の想いから『代田イズム』と言われています。

この代田イズムを見て、皆さんはどう感じましたか?

医学的な視点から見た乳酸菌の効果に注目し、それを広めようという意気込みを感じます。

後述しますが、ヤクルトは食品にかかわらず医学的な面からも健康全般に目を向けている企業です。

つまり、ヤクルトも医薬品に近い食品であり、健康を助けてくれる飲料という立ち位置です。

ピルクルのコンセプト

ピルクルは1993年に発売が開始された商品

実は平成生まれの商品です。

ピルクルのコンセプトは、「思い切りゴクゴク飲める乳酸菌飲料」です。

  • ごくごく飲める味
  • ごくごく飲めるサイズ
  • ごくごく飲める値段

という食品としての嗜好性を高めた製品です。

スーパーの売り場を見るとヤクルトは65mLx10本で400円程度に対して、ピルクルは65mLx10本で200以下の値段設定となります。

ピルクル自体、ヤクルトよりもかなり後発なので、完全な差別化をしていることがわかりますね。

2つの製品の思いは研究費にも現れる

売上高 経常利益 研究開発費 研究開発費/売上高(%)
ヤクルト 390,412 50,629 12,677 3.2
日清食品HD 468,084 30,733 7,183 1.5
森永乳業 601,499 14,959 4,965 0.8
明治HD 1,223,746 81,826 27,308 2.2
アサヒGHD 1,706,901 150,068 9,550 0.8
雪印メグミルク 578,328 14,223 3,846 0.7
カゴメ 202,534 11,315 3,219.0 1.6
単位:100万円 2016年度

乳酸菌飲料(ヨーグルトを含む)を扱う主要企業をピックアップしてみました。

ピルクルを製造する日清ヨークは日清食品HDに含まれます。

ヤクルトが圧倒的に研究開発費が高いことがわかります。

日清ヨークのみのデータはありませんが、飲料系の研究開発費/売上高が1%未満のため、ヤクルトに比べると小さいということがわかります。

ヤクルト本社は食品企業全体を見渡しても研究開発費の割合が高く、食品メーカーの中では珍しい超研究系の企業と言えます。

そして、研究の多くが、乳酸菌をはじめとした腸内細菌と健康というコンセプトに合った研究をしています。そのため、基盤研究部門に対する研究費や投資がものすごく多いことが予想できます。

対して日清ヨークの作るピルクルはたくさんゴクゴク飲める飲料、つまり、嗜好性の高い飲料です。そのため、基盤研究よりも味作りの開発の重きが置かれていると思います。またシリーズ自体が少ないので、そこまで企業として時間も費用もかけていないでしょう。

乳酸菌飲料とは?

上記でヤクルトとピルクルの違いを見てきましたが、どちらの商品も乳酸菌飲料というカテゴリーの商品です。
乳酸菌飲料は字のごとく、乳酸菌が入っている飲料ですが、食品表示基準でその規格が決まっています。
このように決まっている理由の一つはヨーグルトなどの昔からある乳酸菌発酵でできる食品としっかり区別するためです。

乳酸菌飲料の規格

引用:乳及び乳製品の成分規格等に関する省令

発酵乳(ヨーグルト)と乳酸菌飲料の違いは乳由来の成分がどれだけ含まれているかで決まります。

具体的には無脂乳固形分が8.0%以上は発酵乳、それ未満が乳酸菌飲料です。

さらに乳酸菌飲料の中にも3つに分かれています。

今回解説しているヤクルト、ピルクルはどちらも乳製品乳酸菌飲料に含まれます。

こちらもまた無脂乳固形分の量で決まっており、3.0%以上8.0未満で、かつ未殺菌の生きた乳酸菌を含んでいるものになります。

カルピスのように殺菌した乳酸菌を含む場合は乳製品乳酸菌飲料(殺菌)

最後に無脂乳固形分が3.0%未満が乳酸菌飲料となります。

ヤクルト、ピルクルと同じ乳製品乳酸菌飲料

乳製品乳酸菌飲料(生菌)

  • ヤクルト
  • ピルクル

乳製品乳酸菌飲料(殺菌)

  • カルピス
  • ヨーグルッペ

乳酸菌飲料

  • ソフトカツゲン
  • 森永マミー

実はこの乳酸菌飲料のカテゴリーの製品は多くなく、明治のR-1のようにヨーグルト(発酵乳)のものや、朝のYooのような乳製飲料(清涼飲料水)の規格のものが、乳酸菌を含む飲料としては圧倒的に多くなっています。

最後に

まとめると、

  • ヤクルトとピルクルはどちらも特定保健用食品(トクホ)の乳酸菌飲料(生菌)
  • 2大巨頭で同カテゴリーの他の製品はかなり少ない
  • コンセプトが大きく異なる
  • ヤクルトは健康にフォーカス
  • ピルクルはごくごく飲める嗜好性にフォーカス

みなさんはどちらが好きですか?