【解説】なぜ都心に出現したシカを殺処分しなくてはいけないのか?

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荒川のシカ、サッカーゴールで捕獲 引き取り手を募集中

荒川でシカが出現し、捕獲されたニュースが入りました。

そしてこのニュース、twitterなどで大きな話題になったのは、

引き取り手が決まらなかった場合、殺処分もあり得る」ということです。

ニュースのコメントやtwitterを見ると

  • 殺処分は可哀想
  • なんの罪もないのに殺す必要はない

などの殺処分に反対の意見が多く見られます。

そのような優しさのある意見を持つことは良い事だと思います。

その反面、

なぜ殺処分しなくてはいけないのか?

そこにも目を向けて欲しい。

という事で今回は、

なぜ捕獲したシカを殺処分する必要があるのか、について解説します。

※自然環境に関する視点は別の記事で解説します。

シカは温厚だけど、危険な面もある

今回のニュースのコメントで、

「動物園や奈良公園にシカを送れば良いじゃないか」と意見が多くありました。

奈良公園や厳島神社など、有名な観光地にもシカがおり、

シカ煎餅をあげたことがある人も多いようです。

このようなシカの印象で、大体あってます。

しかし、現実として、多くの人はシカに対する知識が不足していおり、

シカによる怪我も多いのも事実です。

その点から、確認しましょう。

シカは基本的には温厚な動物

シカは多くの人の想像通り、温厚な動物です。

人馴れしていないシカは警戒心が強く、人がいるところに出てきません。

そのため、危険は少ないです。

対して、人馴れしているシカは

奈良公園のシカのように人の近くを歩くし、

横断歩道も渡ります。

そして、普通に触る程度であれば、問題なく触ることができます。

焦らされたり、ストレスが溜まれば、人を襲う

しかし、奈良公園でさえ、年間200人ものけが人が出ています。

この原因は、シカ煎餅を焦らしたことでシカがストレスで苛立つからです。

私たちも同じですが、ご飯がもらえると思ったのに

いつまでも食べれないとしたら

イライラしてしまいます。

これはシカでも同じです。

温厚だからといって、無害ではありません。

ストレスが溜まれば、噛んだり、蹴飛ばしたり、突っ込んだりします。

小さい子どもは襲う

人馴れしているシカは大の大人を襲うことは焦らさない限り、稀です。

対して、小さな子どもに対しては

シカが自分の力を見せつけるために攻撃してくることがあります。

小さな子だけでしかに近づくことが実際怪我につながっているため、

注意が必要です。

出産・子育て時期、発情期のシカは危険

年間を通して、シカが危険な時期は

出産の6月、発情期の9月〜11月です。

発情期はメスを取り合って、オス同士が争います。

出産、子育て時期は、子を守るためにシカの警戒心が高く、

危険を感じたら、近づかせまいと攻撃します。

公園のシカも野生動物

主に奈良公園のシカを例に取りましたが、

奈良公園のシカも、厳島神社のシカも、野生のシカです。

観光地にいますが、飼われているわけでなく、

その公園内では捕まえてはいけない、と言うルールになっているため、

集まってる、と言った方が良いでしょう。

そのため、公園の一歩外に出れば、害獣として個体数管理をするべき対象となります。

つまり、シカにとって、公園内は人から襲われないだけでなく、

シカ煎餅がもらえる良質な縄張りです。

そのような理由から、奈良公園では若いシカは少なく、

歳をとって、強いシカが多くいる傾向があります。

都心に出たシカを殺処分する理由

都心に出てきたシカは縄張り争いに破れた可能性が高い

さて、今回荒川に出現したシカは、おそらく東京か埼玉の山に住んでいた個体です。

では、なぜ荒川(板橋区)まで降りてきたのでしょうか?

考えられる理由は2つ。

  1. 山から食べ物(草木)がなくなった
  2. 縄張り争いに敗れて逃げてきた

食べ物がなくなったとしたら、1頭しかいないのはおかしいです。

すると、縄張り争いに敗れた個体と考えられます。

つまり、山に返したところで、

再び縄張り争いに負ける可能性は十分にあります。

板橋区の施設で保護されたことから、施設にいる間に人に慣れてしまう可能性があります。

人馴れしたシカから見たら、

都市部の公園は、他のシカがいなく、良質な食べ物が得られる場所になるため、

残念ながら、また降りてくる可能性が高いです。

交通事故を引き起こす

捕まえず、そのまま野生として暮らさせる方法もあります。

しかし、その場合のリスクは人への影響です。

ひとつは交通事故です。

シカがよく出没する地域では、シカとの交通事故はよくあります。

シカとぶつかった場合、

シカがその場で息絶えることもありますが、

シカは生きて自力で逃げ出すことも多くあります。

都市部で事故が起きれば、その道路が最悪封鎖され、大きなダメージになります。

さらに、運転する側からすると、

シカとぶつかって車の前面がつぶれたとしても保険が降りないことが多いのです。

これは単独物損事故扱いになるから、だそうです。

たとえ、直接ぶつからないとしても、

シカが急に飛び出してきたら、車を運転する側にとっては恐怖です。

急ハンドルで他の車線に入ったり、壁や歩道に乗り上げ、被害を拡大する可能性もあります。

交通事故のリスクの面から、都市部にシカがいるのはかなり危険を伴います

人が襲われるリスクがある

奈良公園の例にもあったように、

シカに対する知識がない人が襲われることがあります。

また、子供だけなら、シカに襲われる可能性があります。

つまり、安全面から見ても、シカが都市部にいるとこにメリットはありません。

寄生虫・感染症を媒介する

しかも野生動物です。

どんな寄生虫や感染症を持っているか分かりません。

今回のニュースのシカも、寄生虫感染症の理由で、動物園から断られています。

寄生虫としては最近死者数の増えているマダニです。

ペットの動物への影響だけでなく、私たち人にとってもリスクがあり、

最悪の場合、感染すれば、死に至ります。

最後に

冒頭の通り

今回のニュースで「殺処分して欲しくない」という意見を多く見ました。

しかし、最悪殺処分しか方法がないのには

私たち人の安全を何よりも第1に考えているからこその判断だと思います。

確かに悲しいと思うかもしれませんが、

悲しいだけでなく、

しっかりなぜそのようになってしまうのか、

他にできることはないのか、考える機会にしていただけたら、幸いです。